“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
騒音調査・防音対策の お問合せ

低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

神奈川県 川崎市麻生区
下麻生1-6-22-705
株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745

六番町店 ダ・ヴィンチ店
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マンション、下階からの被害は…
マンションの騒音問題で、相変わらず、不動の一番は、『上下階の床衝撃騒音』です。
下階の方からの、『被害相談』がほとんどなのですが、時には上階の方からの、『加害相談』もあります。
本当は「迷惑を掛けないように」というそのお気持ちはありがたく、うれしいのですが、その実、下階の方から、脅されて、ということが多いようです。
下階の方のお気持ちも、よく分かるのですが、どうもその怒りが、度を超えているのでは?と感じることが、たまにあります。

都内であった例ですが、下階の方が上階に向けて、深夜に音楽を向けて響かせて、寝られない、というお話しが先月ありました。
いくら「やめてくれ」と言いに行っても、「それはウチじゃ、ない」と言って、取り合ってくれないそうです。
それで、何時まで経っても、止めてくれないそうです。

そう言う時こそ動かなければならない、管理組合・管理会社は、「紛争は、当人間で」と言って、逃げてしまっているようです。
思い余って、警察に連絡しても、来てはくれても、「事件ではないので」とか言って、そのままになっているようです。

ご相談いただいたボクとしても、
,話し合いをする
⊆衛防音をする
E承錣垢
という方法しか、お薦めできなくて、苦い気持ちでいます。

弁護士さんに相談したら、と言っても、相手にしてくれないそうです。
そんな面倒くさくって、お金にならない仕事は、やりたがらないのでしょうか。

本当に、無力感を感じます。
何にもお役に立てない、そんな悩みの中に、ボクはいます。
マンション騒音、裁判の行方
最近、裁判の話しが多くなってきました。
そのほとんどが、マンション上下階の問題です。
実際に弁護士を立て、裁判所に訴えたものを拾ってみたら、4件ありました。
そうならないものは、この10倍、40件以上はあると思われます。

いろいろと、差し障りがあるので、具体的なことは書けませんが、その内、上階の『加害者』側からの相談が2件、下階の『被害者』側の相談が2件と、半々でした。

その上階側の内1件は、万全の対策を取っていて、下階を測定しても、ほとんど聴えないし、数値にも出ないにも関わらず、下階からの強引な、嫌がらせのような、主張に振り回されて、和解すら至りません。
もう1件は、お亡くなりになった親のリフォーム工事のために、騒音が酷くなった、という訴えで、正直息子さんは、早く和解に持って行こう、としているのに、全く和解に進まない、というものでした。
この2件は、ともに『加害者』ではなく、むしろ裁判の『被害者』でした

一方、下階側の内の1件は、そのマンションの設計者を訴え、結局設計者が非を認め、防音工事を行い、和解できたもの。
もう一件は、上階の床に、ボクの開発した『遮音制振マット』を敷いてくれることで、和解できました。
しかし、その方たちは、弁護士費用、諸々の裁判費用、その間の時間と労力、それらを考えると、「裁判なんか、やるもんじゃぁない。得なことは何もない」と口をそろえていました。

そうなんです。
争って得をすることは、絶対にありません。
やはり、通俗なことですが、『話し合い』が一番なんです。
『共同住宅』とは、よくぞ名付けたものです。
そこに暮らす人はみんな『共同体』なのです。
もし、マンション・上下階の問題で、悩んでみえる方がありましたら、何とか『仲良くなる』ことをお薦めいたします。
マンション騒音の本当
今、床の防音材の開発を手がけていて、つくづく想うことがあります。
それは、マンション騒音で困っている人とマンションを造っている側の人との乖離です。

マンションの騒音に困っている人の8割は、上下階の騒音、特に足音です。
それも、軽く歩く音・スリッパの音ではなく、走り廻る音・跳び降りる音・カカトで歩く音です。
いわば『重量衝撃音』LH-の方の音です。

それなのに、マンションの規約などで、問題にされているのは、『軽量衝撃音』、『LL-40以上の床材を使用すること』などと規定されています。
軽量衝撃音用の防音材では、重量衝撃音には、ほとんど効果がありません。

そもそも、ボクは『重量衝撃音は、構造のたわみに由来している』と考えています。
コンクリート・スラブ上の構造・仕様で、左右されているわけではないのです。

例えば、実験しているとよく分かるのですが、厚150ミリと厚200ミリのコンクリート・スラブでは、厚150ミリの方が、1ランク、5dB聴える音は大きく聴えます。

例えば、床スラブの梁から梁の間隔が、広ければ広いほど、大きな音になります。
それは、古いのだけれど、都心の高級マンションで測定調査をしていると、梁と梁の間に、小梁が入っていて、スパンの長さが短く、天井裏も40センチ以上あったりして、ほとんど上階の音が気になりません。

そう、イメージしていただくと、よくお分かりいただけると思いますが、たわみ量の違いが、音の大きさの違いになってくるのです。

でも、いったん造ってしまったマンションの構造は、もう直せません。
どうしたらよいのか?

ボクは、それを一所懸命に探求しています。
考え方として、『上階の、大きな衝撃を、少しでも小さくしてやれば、たわみ量を小さくしてやれば、小さな音になるはずです。』

いろいろ、材料を探しました。
いろいろ、落下試験をしてみました。
今、その大きな衝撃を吸収できそうなものを、いくつか見つけております。
それらを、何とか世に出したい、と考え、進めております。

その内の一つが、初期の頃に見付けた、『マット9』です。
ブログ、ホームページにも、上げています。
ただ、まだまだ、上を目指しています。

そして、それは、軽量衝撃音でも、良い結果が出るようなものにしたい、と考えています。
LL-40で、重量衝撃音にも強いもの、それを目指しています。
それこそが、住む側と造る側の乖離を、解決することになる、と考えています。

もう少しのところまで、来ています。
出来ましたら、ここでお知らせしようと、思っています。
マンションの床防音…床防音の実験
今から7年前くらいになりましょうか、あるマンション・メーカーから、床防音の実験依頼がありました。

その少し前くらいから、公団住宅でよく使われていた、ポリスチレン・フォームを標準で使われていたのですが、どうも床騒音のクレームが多い、ということで、その実験をということになったようです。

それで、どんな床仕様がよいのか?
ということで、新築のマンションで、ボクの提案も含めて、良いと思われる数種類の仕様を実験しました。

結果から言うと、在来の根太組み床の間にロック・ウール、その上の合板とフローリングの間に、遮音制振ゴムと制振フェルトをサンドイッチしたものが、一番良かったです。
ポリスチレン・フォームの上にフローリングを張ったものは、軽量も重量も良くありませんでした。

その後、そのメーカーがどういう仕様にしたのかは、教えてくれませんでした。
それはそうでしょう、大事な企業機密ですから。

しかし、ボクは大変な勉強になりました。
その後の提案、防音材開発に、とても役に立ちました。
本当に感謝しております。 
マンションの衝撃音…固体伝搬音の伝わり方
前回、コンクリートに入った音(振動)は、空気の約15倍、伝わりやすい、という話を書きました。
それで想い出したのですが、『コンクリートに入った音がどのように伝わるのか?』ということを実験したことがありました。

それは、少し前のマンションでの測定で、『ドラムのような低周波騒音の正体が、カカト衝撃音だった』という話しを書きました。
その時、住民の方からの提案で、いろいろな階・室で実際に音を出して、どのように聴こえるか?という現場実験をする機会がありました。

実験の方法は、いろいろな階・室で、管理人の方にカカトで歩いてもらって、それを被害を訴えてみえる方の階・室で測定するという方法でやりました。
その結果が、下記の図になります。



一番大きな音は、当然ながら直上階の室で、63Hzで71dB。
次はもう一つ上の階の室で58dB。
3番目は502号の斜め上の室で50dB。
4番目は横隣戸の一つ離れた室で48dB。
という順になりました。

これで分かってきたことは、
『音の大きさは、伝わってくる距離に比例するのでは?』ということ。

ところが、距離では近い隣戸よりも、2階の斜め上の方がわずかですが、大きく聴こえるのです。
これは、人の耳が何処にあるか?測定器のマイクが何処の位置にあるのか?に関係していると思われます。
マイクの位置は床から1.2m、天井から1.0mの高さにあり、天井からの放射音の方が大きくなる、ということになります。
それで、下階の音が最も小さく聴こえるというのも、なるほどと思われます。

それと多くの場合、天井上は空気層があり、『太鼓現象』が起きていることも、無関係ではない、と思います。もちろん同様、GL壁もこれが考えられます。

ここから先は、周波数による共振・共鳴、伝わる媒体による変化などがあり、専門的な難しい問題になっていきます。
がしかし、基本はこのこと、『コンクリートは空気の15倍、音をよく伝える』ということ。
騒音源は直上階だけでなく、斜め上の上くらいまで可能性があります。

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