“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

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携帯電話・基地局、下階にコンクリート伝搬音 〔第2回、測定調査〕

1回目の調査からしばらく後、再調査の依頼がありました。

今度こそ「音源を明らかにする」、という覚悟でうかがいました。

 

前回の調査で、設備からではなく、周囲の鉄骨から「問題の音」が発生しているのでは?

という推測から、下階の室内と屋上に分かれ、携帯電話でやりとりしながら、「音」の確認をする、という方法で望みました。

 

よく発生する、といわれる朝7時から、始めました。

しばらく待ってみましたが、なかなか音は発生しません。

そこで、ここは、と思われる箇所を屋上で叩いてみて、下階で「問題の音」として聴えるか?実験してみました。

 

鉄骨の柱・梁、排水管の通気管、電気配管・ボックスなど、叩いて回りましたが、中継設備を囲っている、アルミ・ルーバーを叩いた時、「その音です」と一致しました

 

しかし、発生箇所は明らかになりましたが、発生原因が分かりません。

屋上で、耳を凝らして待ち続けました。

 

9時頃まで屋上にいて、屋上で発生した「音」は、

.ュービクルを囲っている、アルミ・ルーバーを固定しているビス部分から、「カシャ、ピキッ」という音

▲ュービクルを冷却する、エアコン室外機が稼働し始める直前に、「ガッン」という音

でした。

 

その内、下階で「問題の音」と言われたのは、,離▲襯漾Ε襦璽弌爾鮓把蠅靴討い襯咼垢良分から発生している「カシャ、ピキッ」という音でした。

「問題の音」が特定できました。

 

伝搬経路は、

アルミ・ルーバー  C型鉄骨  H型鉄骨柱  コンクリート  下階・室内に空中放射、と考えられます。

 

「問題の音」が発生する原因は、推定ですが、朝陽が当たり、温度が上昇し始めると、アルミ・ルーバーが線膨張し、その力で固定しているビスの接点で、「音」が発生しているのでは、ということでした。

 

この結果から、結局周囲を囲っているアルミ・ルーバーをすべて撤去し、「解決」したようです。

よかった、よかった、責任が果たせて、ホッとしました。

携帯電話・基地局、下階にコンクリート伝搬音 〔第1回、測定調査〕

今年の3月、都内のマンションで、「屋上の基地局から、ゴーンという音が聴えて、うるさい」というご相談を受け、早速、騒音調査にうかがいました。

 

最上階のお宅で、「問題の音」がするのを待機していましたが、なかなか音はしません。

 

お住まいの方が録音された、スマホの音を測定してみると、800Hz〜6300Hzという中・高音域に、音の塊が現れました。

どうも「ゴーン」という「問題の音」は、かなり高い音のようです。

 


スマホで録音された「音」は、これまでも数多く測定してきましたが、あまり正確ではありません

その原因は、

.泪ぅの問題

▲好圈璽ーの問題

アプリの問題

にあるようです。

 

スマホのマイクは、人の声などの音域を中心として、高音・低音はカットされ、かつ大音量もカットされるように、なっているようです。スピーカーも同様です。

原理としては、空気振動である「音」を、マイクで捉え電気信号に変換します。

その電気信号をどのように表現するかは、アプリで異なっているようです。

実際に測定してみると、騒音計と同じ周波数になっていることは稀で、ほとんどのアプリは、その近辺の周波数になって、現れるようです。時には、とんでもない周波数になっていたこともあります。

 

スマホの音は、参考にはなりますが、正確ではありません。

 


小さな中継設備の場合は、主に蓄電池を冷却する小型ファンの音が主ですが、中継局の音は、通常低い音が主です

どうも設備機器からの音では、無さそうです。

 

お話をお聞きしている最中、南東角辺りで「ゴン」という小さな音がありました。

予想していたよりも、かなり「高い音」でしたしかも単独で、連続していません

屋上にある基地局、キュービクルの位置は、反対の北側にあります。

どうも中継設備機器から、ではないようです

 

その後、屋上に上がって、基地局の周囲、すべてを調査、測定をして回りました。

この基地局は、かなり大規模な設備で、蓄電設備の他に、整流機などの設備も付帯していて、約4畳くらいあるキュービクル室内を、家庭用のエアコンで、空調していました。

それが2基ありました。

 

中継設備の音源としては、低周波音を中心に、かなりの音エネルギーを持つ音源が、いくつもありました。

特に、人には聴えないとされる、20Hzの超低周波音が75dB以上あり、下階の室内でも50dBくらい伝搬していました

しかし、お住まいの方には聴えない、とうことでした。

聴えて気になる、今回の「問題の音」は、中・高音の「ゴーン」という音です。

どうも、中継設備機器からの音ではなく、

それらを支え、囲っている鉄骨に何かが当たる音では?

というのが、ボクの見立てでした。

 

第1回目の調査・測定は、そこまででした。

 

ガス乾燥機、マンション・バルコニーで防音

先日、都内のマンションにお住まいの方から、ガス乾燥機の騒音について、ご相談がありました。

 

これまで、使っていたガス乾燥機が壊れてしまって、新しいガス乾燥機に取り替えてもらったところ、性能が上がったのか、かなり大きな音になっていて、「このままでは、ご近所に迷惑が掛かる。迷惑を掛けてはいけないので、何とかしたい」という、善意からのご相談でした。

これは、何とかしなくては、と決意し、先ずは測定調査にうかがいました。

 

ガス乾燥機
     バルコニーに設置された、ガス乾燥機

調査にうかがって、先ずはガス乾燥機を運転していただき、

その運転音を、バルコニー、室内の各所で測定してみました。

その結果、『問題の音』は100Hzの音で、お隣の隔壁前で、80.3dBもありました。そう、地下鉄の電車内くらいの騒音でした。

これでは間違いなく、お隣とトラブルになる、と思われます。

 

対策を考えるにあたり、どの音が、何処を伝わって、どのくらいの大きさになっているか?調べてみました。

 

騒音調査の結果、「音」の伝搬ルート、その音エネルギー量が分かりました。

ルート…ガス乾燥機の底・鋼板から『共振振動』が、空中

     に、放射されている。100Hzで85.5dBもあり、

     測定した中で、最大の音量になっていました。

     (『空気伝搬音』)

ルート…スタンドの脚から、床・コンクリートに『振動』が

     大きく伝わっている

     (『固体伝搬音』)

 

というのが、主なルートになっていました。

心配していた、上に付いている排気口からの音は、69.5dBとさほどではありませんでした。

 

室内では、このガス乾燥機が設置されている、真ん前のリビングで45.7dBリビングよりも遠い、お隣の和室内の方は54.5dBと、遠い和室の方が、10dBも大きいことが分かりました。

音エネルギー量と人の聴感覚は、対数の関係で、10dBは2倍に感じます。

何故遠い和室の方が、近いリビングよりも大きいのか?

 

その理由は、『固体伝搬』がカギで、六面がコンクリートから遠い、広いリビングよりも、近くて狭い和室内の方が大きく響いている、ということでした。

 

これだけ響く、ということは、接している近隣の戸には、間違いなく『振動』が伝わっている、と考えられます。

コンクリートは、空気の約15倍、音をよく伝えます。

先ずは、ルート△スタンドの脚と、床・コンクリートの『振動絶縁』が必要、と考えました。

 

それらの結果を基に対策を考えました。

対策として、

ルート→ガス乾燥機の底・鋼板の『振動共振』を低減させるため、『制振材』を貼る

ルート→スタンド脚の下に、『遮音制振ゴム』を敷く

という方法で、防音工事というよりも、防振工事をしました。

 

その結果、隔壁前で7.2dB低減して、73.1dBに。

和室内で、何と24.1dB低減して、30.4dBになっていました。

 

防振対策の結果として、周囲の何もない時の音、『暗騒音』にも依りますが、「気にならない」程度には、なりました。

今回のように、猛暑でエアコンがフル運転されている音環境の中では、全く気にならない、と思われます。

 

今回の場合、ガス乾燥機の周囲を囲む、というような完全な防音工事は、手間も、コストも掛かるので、他の簡単な方法で「解決」できないか?ということが、ポイントで、した。

 

もう一つ、どうしても書いておきたいことがあります。

それは、ガス乾燥機の販売者・製造者は、聞くところによると「できません」の一言で、何の対策、努力も、しようとしなかったことです。

あまりにも、無責任ではないでしょうか?

当事者意識が欠如している、としか、言い様がありません。

あまりにもヒドく、この暑さにもかかわらず、背筋がぞぉーっとしています。

マンション騒音…地下のポンプの音が、3階で響く

兵庫県のマンション、地階にある給水ポンプの音が、3階の戸内に響いていました。

 

音源であるポンプの音は、以下の3種類に分けられます。

.癲璽拭爾龍酘芦

▲櫂鵐廚留薪床…羽根が水を押し出す音

5訖經鋲發凌緡音

それにプラス、制御盤などの空冷ファンの音などが「音源」でした。

今回の場合、 銑は『固体伝搬音』、空冷ファンは『空気伝搬音』でした。

それぞれの音が、どのように伝搬して、3階に届いているか?それを明らかにしました。

 

先ず、『空気伝搬音』のファンの音は、音エネルギーとしては小さく、コンクリートに伝搬はしていませんでした。

問題は、『固体伝搬音』です

 

伝搬経路として、

(A) 給水管

(B) コンクリート

が考えられました。

そこで、伝搬している可能性がある、給水管、直近のコンクリートを基本に、1階から3階までを測定し、たどってみました。

 

先ず1階、エントランスがあり、住戸はありません。

給水管が通っている、パイプ・シャフト周辺の壁・床を測定しました。

給水管が現れているところはなく、直接測定はできませんでした。

1階のコンクリート・軽量鉄骨の壁には、ポンプの音がよく伝わっていました。

どうも、モーターの音・ポンプの音が、コンクリートには、よく伝搬しているようです

給水管の水流音は、かなり小さいようでした。

 

2階は住戸があり、メーター・ボックス内の給水管の測定ができました。

給水管には、地階の給水管のピーク音、100Hzと200Hzが、ほとんど減衰せず、伝搬して来ていました

鉄は空気の約20倍、水は約4.5倍、音をよく伝えます。

 

3階の給水管も、ほとんど同じでした。

さて3階の戸内では、どうだったのか?

 

結果としては、160Hzの音が、ピークとなっていました

 

音=振動が、媒体を通して、『固体伝搬』して行く時、通しやすい、共振しやすい周波数の音が、ピークになります。

物質には必ず『固有振動数』という、共振しやすい周波数があります

その周波数の音・振動が、多く伝搬していく、ということになります。

それが、160Hzの音でした

 

しかし、音源の音エネルギー量以上には、なり得ません。

それよりも大きい場合は、他からの伝搬も考えられます。

その意味で、160Hzをピークとする音は、可能性が大いにあります

 

対策として、給水管が接している、コンクリートの『振動絶縁』を、できる限りの接点、吊り金物とか掴み金物と、給水管との間に、自動車で使われている、振動エネルギーを熱エネルギーに変換する性能が高い、『遮音制振ゴム』を入れてもらいました。

結果は測定していませんが、かなり効果があった、とメールをいただきました。

 

ポイントは『固体伝搬音』の『振動絶縁』でした。

とてつもない「地下鉄の音」

昨年のこと、「中古のマンションを買ったけれど、地下鉄の音がうるさくて、生活できない」というご相談があり、直ぐに、測定調査にうかがいました。

戸内に入って直ぐ、ものすごい轟音が、響きました。

通りに面したリビングで、測定してみたところ、100Hzをピークに持つ、60dBを超える音が、騒音計に現れました。

とんでもない音です。

伝搬を確認するまでもなく、その音は「ゴー」という下方向からの音紛れもなく「地下鉄の音・振動」でした。

 

その通りの下を通る地下鉄の時刻表を基に、測定値を比べてみると、建物の遠くを通る上り電車よりも、近くを通る下りの地下鉄電車の方が、約10dBも大きくなっていました

これだけ明確に測定できたことは、初めてです。

 

このマンションは、築後約20年、これまでの所有者=売り主は、イベントなどに使っていて、この戸内で生活はされていなかったようです。

 

戸内すべてを測定し、平面的、立面的に最も大きい音エネルギーが伝搬している場所は、窓側の角付近でした。

図面を見るとそこには、柱があり、その基礎地下には、直径1.7mの地中杭が、支持層のあるGL−33mまで、達していることが分かりました。

 

一方地下鉄の線路がある深度は、GL−約20m辺りを通っており、トンネル内には留置線があり上りと下り、合わせて3線路が平行してマンション前の道路下を通っていることが、分かりました。

道路幅から計算してみると、そのトンネルの壁の位置は、何と地中杭から2〜3m離れた位置を通っていることが分かりました。

 

ここまで分かってきましたが、さて、どう進めたらよいか?

 

いろいろご相談いたしましたが、こうなって来ると、先ず進めるべき選択肢は、「解約」です。

宅建法上、売り主は、「重要事項説明書」にこういう騒音があることを、書いていなければならないはずで、書いていない場合、「無条件解約」ができるはずです。ボクは宅建主任の資格も持っていて、かつて土地・建物の売買・仲介の仕事をしていたこともあります。

進めるべき方向は、ハッキリしているので、相手、仲介業者を通して、売り主さんに「解約」の交渉ができるだけの「報告書」を作成しました。

 

結果をお話しすると、「買い戻し」ということになったそうです。

「無条件解約」となると、契約・登記にかかった費用などを、売り主側が負担しなければなりません。

それを避けるため「買い戻し」ということになった模様です。

 

ご相談者からは、「費用に掛かった約100万円くらいは、損したけれど、善かった」とおっしゃっていただき、ボクもホッとしました。

こういう結果は、希有のことと、ボクには思われます。

売り主さんも、良心の呵責を感じて、そういう選択をされたのかな?と想像しています。

まだまだ世の中、捨てたもんじゃぁ、ないな、とあらためて感じました。

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