“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
騒音調査・防音対策の お問合せ

低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

神奈川県 川崎市麻生区
下麻生1-6-22-705
株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745
TEL 090-1564-8206

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高級老人ホーム…騒音調査、最高の難度、たった一瞬の異音

去年の暮れ、いつもご相談がある、高級老人マンションから、『異音』騒音のご相談を受けました。
それは、マンション室内で、「10分おきに、ググッという音がする」という調査依頼でした。

1回目と2回目は、その『異音』に出会えず、やっと3回目、聴くことができ、採音、測定できました。

そしてコンセント・ボックスの中の音を、聴診器で、聴くことができました。

『問題の音』は、壁の中から、やって来るようです。

 

 その音は「グルッグルッ」という、たった1秒間くらいの音でした。その間隔は、約10分ごと
そしてその音は、1時間くらいして、聴えなくなりました。

お住まいの方は、その『異音』が発生した時間を、克明にメモしてみえました。
それによると、その『異音』に気付かれたのが12月上旬。
午前10時過ぎくらいから、続く時は深夜まで。
また、それが続く日は4〜5日。
『異音』がない日もあり、長い時は3週間くらい経った頃、また始まる、といった現象になっていました。

その音がする時と、風の関係も調べてみました。
気象庁のホームページから、1時間ごとの風向・風力を調べてみましたが、ほとんど関係は無さそうです

『異音』は、50Hz〜200Hzの低・中音が含まれた『複合音』
音エネルギー量は、40〜45dB
環境省が出している『低周波音問題の手引き書』にある、『心身に係る苦情に関する参照値』は、80Hzの音域で、わずかに超えていました

音がしている時間が1秒では、その音をたどることもできません。
廊下に出ると、もうその音は聴えません。
壁の中には、それ以外の音が、渦巻いている情況です。
建物内には、通常の給排水設備の他に、セキュリティー設備、厨房設備、そして温泉設備まであります。

「どうやったら、騒音源の特定ができるか?」

先ず『伝搬経路』は、見付けられません。
その『異音』をたどることは、不可能です。
そこで考えたのは、逆からたどる方法でした。

記憶を頼りに、その『グルッグルッ』という音を出す可能性があるものを、探しました。
一番それに近いものがありました。
それは、給水と、給湯設備の『電磁弁』でした。
それは、給水の場合は、タンクの水位が設定の位置以下になった時、スイッチが入り、給湯の場合は、洗い場でお湯が使われる時、スイッチが入るように、なっていました。
音は「グルッグルッ」、ピッタリです。
そして、1秒間くらいで、止まります。

ただ、そこまでは、推測でしかありません。
伝搬していることを、証明しなければなりません。
それがないと、対策ができません。

そうこうしている内に、音が止んだしまいました。
3月の中頃でしたでしょうか。
そこから先は、また寒くなり、音が出始めるまで、待たなければなりません。

そもそも、何故12月から3月の間だけなのか?
寒さ、温度と関係があるのか?
何故10時頃からなのか?
疑問は、まだまだ続きます。

これほど難しい音の問題は、初めてです。
恐らく、これ以上の難問は、無いのでは?と思えます。
まだまだ試練は続きます。

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