“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

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サッカーの声援、サポーターの情熱を測定する !!…騒音?測定

4月16日(土)、ひょんなことから、味の素スタジアム、FC東京 vs 川崎フロンターレの試合で、「騒音?測定調査」をしてきました
ほとんど本屋さんには置いていない、硬派のサッカー専門雑誌、『フットボール批評』の編集者からのご依頼でした。

そのテーマは「サポーターの情熱を数値化する !!」というもので、サポーターの声援が、音量、何デシベル(dB)になるか?
という測定の仕事でした。

音の世界では、これに該当する用語はありません。
最も近いのが、『騒音測定』という用語になってしまいます。
「騒音」ではないだろう!と怒られてしまいますが、正式にはそれしかありません。
ここでは仮に『情熱測定』と呼ぶことにします。

試合開始の2時間前、編集者の方とゲート前で待ち合わせ、あこがれだった「関係者専用通路」から、入りました。
ホームのFC東京の方にご挨拶、「楽しみにしています」とお声を掛けていただき、「へぇー、そんなに期待されてんだぁ」と、逆にプレッシャーを頂戴してしまったり、記者控室では、この世界の住人らしい、ネームプレートを首から提げた人たちが、ワイワイ右往左往行き交う中、川崎フロンターレ担当の方をご紹介されたり、みんながみんな、ワクワクしながら、これ以上ないくらい楽しんでいる、そんな空間にはまり、その空気を吸っていました。

で、早速、ボクは、もらった赤いビブスを着て、ピッチへ。
サッカーでは、グラウンドとは呼ばず、ピッチと呼ばれているようで、厳密にピッチとは、ゲームをする白線の中を言うらしい、ということが、少しずつ分かってきました。

赤いビブスは、テレビ・クルー用らしく、FC東京・ホーム側ゴール裏付近の取材エリア、他の人のジャマにならないよう、端っこに、100円ショップで買ってきた、折りたたみイスに座り、待機しました。

ボクは、サッカーは野球より好きで、黄金時代のジュビロ、名波さんのファンで、何回かジュビロスタジアムに通ったり、名古屋の瑞穂競技場、豊田スタジアムにも、行ったこともあります。
現在は、フロンターレ、憲剛さんのファンで、麻生の練習場が近いので、たまに練習を見に行ったりしています。

でもこれまで、サッカー場でボクがいた場所は、スタンドの中、ピッチに下りたことは、一度もありません。
座ってみて、先ず感じたのは「音がボクに向かってくる」という感じ。
スタンドの屋根の角度、スタンド・観客席の勾配、選手に聴えるように、音響設計されているのでは?と思うくらい、大きく、よく聴えます。後から調べたら、やはりサッカー・スタジアムの音響の対象は、ピッチの中にいる選手たち。

彼らに向けられるよう、設計されている、ということが分かりました。それは、野球と違うようです。

早速測定してみました。
試合前の音楽がない、お客さんが期待イッパイで、三々五々席に着き始める、ザワザワした時が、騒音値AP(A)で65dB(A)、
最も静かだった時は、ゲーム前、熊本地震の被害に遭われた人に黙祷時で、57dB(A)でした。

最も大きかったのは、やはりゴール時。
前半4分、ネイサン・バーンズのゴール時、と後半11分、前田遼一のゴール時。
ともに、106.9dB(A)。
バーンズの時は、ホームの反対側、前田の時は、こちら側、全く同じ音量でした。

サポーターは、エライもんです。
近くだろうと、遠くだろうと、全く同じ音量を出せるのです
これは、「奇跡に近い」とボクには思えます。
ボクの使っている騒音計は、6/1000 dBまで測定できます。
そんなピッタリに、数値を合わせることは、不可能です。
サポーターは、エライもんです。

もうひとつビックリし、感動したのは、前田遼一のゴールした時です。
ボクは音を採るのに夢中で、「最大値、最大値」と念じながら、騒音計を見つめていたその時、その騒音計のわずか5兩茲髻∩暗栂飽豼手の太ももが、横切ったのです。
彼はサポーターに向かって、両手を突き上げて、鼓舞していました。
彼の太ももは、大きかった!

その時の106.9dB(A)、地響きのよう、ボクの身体が揺れるのを、感じました。
フットボール批評 71
逆に、前半11分、フロンターレ・大久保のゴール時は、97.9dB(A)、
約10dB(A)も小さかったです。やはり味方のゴールに勝るものは、
無いようです。
ただここで面白いのは、男性の低い声、と思われる200Hzの音は、
バーンズのゴール時は、89.1dB(A)、大久保の時は、91.9dB(A)、
「おおーっ」というため息?の方が、勝っていたようです。

人はため息をつく時、大きな低い声を発するようです。

もうひとつ、音の成分を見ると、ゴール時は、500Hz〜2KHz、
そう女性と子どもの声と思われる、中・高音域が大きくなっているのです。
それもピークは、800Hz。
普段よりも、1オクターブ高い声が、主成分となっているようです。
人は興奮すると、1オクターブ高い声を発するようです

結局、考えてみると、80%は騒音計を見つめていて、残りの20%くらいしか、
ゲームを見ていられませんでしたが、本当に感動し、楽しい仕事でした。

 

普段は、騒音に困っている測定調査がほとんど、まぁそれは当然なのですが、
「こういう楽しい仕事、佳いなぁ」と、つくづく感じました。
編集者に「もし次があるようでしたら、お願いします」と、言っていました。

右に、送っていただいた『フットボール批評』11号の表紙写真を、付けておきます。
ほとんどネットでしか買えませんが、興味のある方は、どうぞ。

音、全般 | 09:47 | - | - | - | - |

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