“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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マンション騒音、ボイド・スラブの話し

昨年久しぶりに、ボイド・スラブの影響と思われる、マンション騒音に出会いました
そう、ボイド・スラブは、10年〜15年前くらい、アッという間に拡がりましたが、アッという間に消えてしまいました。
恐らく『音』の問題から、と思われます。

最近、タワー・マンションなど高級マンションを中心に、またぞろ流行っているようです。
『ボイド・スラブ』が原因、と思われるご相談は、2年前くらいにも、このブログに上げましたが、それは『ボイド・スラブ』自体の遮音性よりも、梁・柱の取り合いのスキ間が、起因しているのでは、と思われる『騒音問題』でした。

今回の場合は、「生活音はもちろんだけれども、夜中に約10秒おきくらいに、『カン』という間欠音がする」というご相談でした。
その『問題の音』を採るため、そのお宅内で待機していて、深夜0時を過ぎた頃、やっとその音が捉えられました。
その室の『暗騒音』(何もない普段の音)と『問題の音』を比較してみました。

中央林間・ボイドスラブ

『問題の音』、『カン音』は、100〜630Hzの中音、4000〜8000Hzの高音を持つ『複合音』であることが、分かります。
『暗騒音』と比べて、100Hzで約20デシベルの差があります
20デシベルあると、人の耳には、4倍の音に聴えます

その音の大きさが、深夜には気になるのですが、それ以前には、上階のバスをお使いになっている、シャワーの音・洗面器らしき床に当たる音などが、ハッキリ聴えました。
そのこと自体が、問題では?と思いつつ、測定していました。

今回の騒音源は、上階のバス、水滴が床に当たると思われる音、『カン音』が原因、と推定されました。
その音が、ここまで大きく聴える原因は、やはり『ボイド・スラブ』の問題、と考えざるを得ません。

そのボイド・スラブ床の断面は、右のボイド・スラブ断面
ようですが、断面にある楕円形の空間
で、ある周波数の音が『共振・共鳴現象』
を起こし、下階に伝わっている
、と考え
られます。

また、『床衝撃音』は、空間を除いたコンクリートの床厚で、決定されます
設計上は25僂△襪箸いΑ今回のボイド・スラブは、その上の現場打ちコンクリートを加えても、約12僂らいと推測されます。
現在のマンションのコンクリートのほとんどは、20僂慮さがあります。
それだけ大きな音が、下階に伝わっている、ということになります。
『遮音性能』だけではなく、『床衝撃音』にも不利、ということになります。

ボイド・スラブが多用される原因は、コストと時間にあります。
梁間を長くでき、現場作業が短く、人工(ニンク)も少なくなります。
その経済論理の元、ここまで流行っていることは、大変な問題、「音を何とかしてから、使えよ!」と言いたくなります。

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