もう5年前くらいになります。静岡の新築早々の教会から、相談がありました。
高名な建築家の設計で、在来木造で、お金を掛けずに、結構シンプルでモダンな建物でした。
ところが、道路を挟んで反対側が、鉄道の線路。
電車が通る度に、地面が揺れる、轟音が窓から襲う、とてもミサを上げられるような状態ではありませんでした。
基礎はベタ基礎、今流行の免震などない時代の話しです。まともに振動が伝わります。
空気伝搬の騒音も、スマートな縦長の窓が並び、ガラス1枚。
何故、騒音が予想される線路側に窓を付けたのか?
→電車から、かっこよく見えるように
何故、基礎のコンクリートの下に、絶縁として、例えば高密度のウールを敷くなりしなかったのか?
→寄付金だけで建てられたので、予算がなかった。
???、とても信じられない話しでした。
その設計はともかく、対策をしなければなりません。
当然、建てたばかりで予算はありません。
いろいろお話しをし、なるべく安く入手できる材料を、信者の方のボランティアで、対策をすることにしました。
決めた方法は、先ず床は、安い厚めのフェルトを敷き、その上に寄付のカーペットを敷く。
最も透過がヒドイ窓は、ガラスの内側に、PETウールを詰め込み、アクリル板で押さえる、ことにしました。
その結果、何とかミサができ、お話しが聴こえるレベルにすることが出来ました。
高名な建築家は、「安い設計料だから、仕方がない。」と言って、相談に乗ってもくれなかったそうです。本当は、その名を公表したいところです。
またまた“建築家”。
建築家って、一体何なのですかね?
2012.05.29 Tuesday
電車の騒音・振動
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