“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

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携帯電話・中継局、マンション下階にコンクリート伝搬音〔第3回〕

今年の2月、第3回目の騒音調査依頼がありました。

前回、前々回の騒音調査で、原因とされる屋上の電話・中継局のルーバー金物の撤去で、解決した、と思っていたのが、実はまだ

「コーン」という音がする、というのです。

 

屋上には、かなり大きい中継局があり、まだまだ「音源」となりそうな、設備・構造物が、多くあります。

本来なら、いっそのこと撤去してしまえば、すべて解決するのですが、貸し主・借り主とも、それはできないようです。

 

今度の「コーン」という音は、深夜、それも日が変わった1時以降に発生する、とのこと。

本来はお断りする時間帯なのですが、ここまでの経緯上、とても「し〜らない、もうイヤだ」とは、言えません。

時は2月の極寒の時、しかも0時から朝まで。

 

前回の調査で「問題の音」は、屋上の気温の変動による、金属の膨張・伸縮が原因による「音」でした。

今回もそれに近い「音源」ではないのかな?、と考えました。

それも深夜から明け方、冷却による「伸縮」が原因では?、と考えました。

屋上には未だ、中継設備はそのまま、それらの架台・柱・梁が残っています。

その内の何処から、「問題の音」が発生しているのか?

 

「問題の音」は、単発で一瞬の音、測定し逐える自信はありません。

そこで、今回は音楽用の録音機を用意しました。「問題の音」を測定、捉えられない時のための用意です。

 

調査には、ボクの他に依頼者でもある、管理会社の3人の方がお付き合いくださいました。それも部長さんまで、深夜の調査にお付き合い、くださいました。会社としても、それくらい重要なことなんだろうなぁ、と感じました。

 

「問題の音」は、ありました。1時30分頃でした。

が、結構小さな音で「これは?」と思っただけで、終わってしまいました。

ボクの仕事は、「問題の音」がしてくれないことには、始まりません。

ホッとしたのは束の間、測定など、できませんでした。

 

ただし、成果はありました。

「問題の音」が鳴っている方向が分かりました

南西の角から、でした。

 

それまでは、バス・ルームの天井・点検口を開け、それに向けて録音していたのですが、「問題の音」が聴えて来るのは、まったく違う南西の角から、でした。早速、録音機の位置を変えました。

 

2回目はそれから3分後、バタバタしている内に、終わってしまいました。

またしても、測定できていません。

 

3回目はそれから6分後、想像していたよりも、かなり小さな音で、「これか?」と思っている内に、終わっていました。

本当に難しいものです。

 

4回目はそれから15分後、集中しているのにも、限度があります。ホワーとしている時でした。

またしても、測定できませんでした。

 

ただ、こういう時には、4人もいると、助かります。

皆さん、「こっちの方から」と、南西角を指していました

 

その壁裏には、中継設備からの太いケーブルが4本、屋上から外壁に沿って、地上に降りています。そしてそのケーブルを囲っているステンレス板がありました。

どうも「問題の音」は、そのステンレス板の周囲で発生している、ということが、推測できます。

 

「問題の音」はそれ以降、ピタッと止んでしまいました。

後から気象庁のデーターを見ると、1時30分から2時の間が、その夜の最低気温を記録していました。その後、気温は上昇していたのです。原因は気温の低下に伴う、ステンレス板の収縮、に間違いないようです。

 

そこで、お二人の方に、屋上・地上のステンレス板を、棒で叩いていただきました。そしてその音を、測定しました。

マンションの最上階で、聴いていても、屋上の打撃音はピッタリでした。

地上の打撃音は、微かに聴えるレベル、間違いなく屋上の直ぐ下、外壁の真裏で、発生していることが、確認できました。

 

帰ってきて、録音機のデーターを取り出して、その音を測定したところ、ピーク音・波形は、どんピタリ

「問題の音」を特定でき、それらを報告書にまとめ、お送りしました。

 

その後、どうなったか、どう対処されたのかは分かりませんが、何もご連絡がないところから、解決できたのかなぁ、と推測しています。

 

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