“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

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株式会社ヴォイス

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給水ポンプの音…給水管がコンクリートを貫通

「給水ポンプの音が、1階のその戸だけ、よく響いている」というご相談から、6月、岡山のマンションにうかがいました。

施工された建設会社から「対策案を出して欲しい」とのご依頼でした。

 

マンション棟は2棟あり、隣の棟は隣接している給水タンクに、遠くの棟は屋上の給水タンクに、それぞれ送水している、大型の給水ポンプが音源で、その内、隣接するマンション棟の1階の住戸に、そのポンプの音・振動が響き渡っている、とのこと。

その「ポンプの音」を、確実に止めたい、というご相談でした。

 

実はそれまでに、様々な方法を講じてみて、それでも止められない、とのこと。

その住戸、最も隣接した居室の床下は、もうすでに掘り返されていて、排水管がその室の床下を、貫通していました。

給水管は、見えていませんでした。

 

早速、その住戸で測定をさせていただき、「問題の音」は315Hzをピークとするモーター音で、28.0dBもあることが、分かりました。

ポンプの音がない時の『暗騒音』は、315Hzの音は13.0dBで、ポンプ音がある時は、15.0dBも大きくなっていました

その他、その戸内の各室を測定して回りましたが、その室内だけが特別に大きくなっていました。

 

音エネルギー量と人の聴感覚の関係は、対数の関係で、10dBは2倍に、20dBは4倍に、15dBは3倍に聴えます

その音が、深夜を問わず、戸内に響き渡っているのですから、とても寝ていられない情況でしょう。

 


その周辺を測定してみましたが、その戸・室以外で大きいところは、ありません。

たまたまその棟の外廊下下に、ピットの空間があり、その給水管には、「問題の音」315Hzの音が、確かに存在しました

 

竣工図面を見せていただいたところ、その室の真下を、給水管が通っていることが分かりました。

間違いなく、ポンプ室からの『空気伝搬音』でなく、給水管からの『固体伝搬音』であることが、明白になりました。


『音源』と『伝搬経路』が分かれば、「対策」は立てられます

『音源』は給水ポンプ、『伝搬経路』は給水管で、ポンプのモーター・水流音・その他の音・振動が、給水管に伝搬していました。

鉄は空気の約20倍、音をよく伝えます。

水も空気の約5倍、音をよく伝えます。

 

そこで「対策」としては、その『振動』を『絶縁』してやれば善い、という結論になります。

今回は、現在ある給水管が接している周囲、例えばコンクリートをハツって、管の周囲に『振動制振材』を巻いてやる、というような工事になります。

しかし、工事の責任者の方から、「それなら、給水管を建物の外に回した方が、遥かに簡単だ」との一言で、給水管を迂回させる、ということになりました。

その方が、建物から離れるし、コンクリートの絶縁対策をするより、確実な効果が期待できます。

 

結果は、お知らせいただいていませんが、「便りのないのはよい便り」ということと、考えております。

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