“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

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株式会社ヴォイス

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とてつもない「地下鉄の音」

昨年のこと、「中古のマンションを買ったけれど、地下鉄の音がうるさくて、生活できない」というご相談があり、直ぐに、測定調査にうかがいました。

戸内に入って直ぐ、ものすごい轟音が、響きました。

通りに面したリビングで、測定してみたところ、100Hzをピークに持つ、60dBを超える音が、騒音計に現れました。

とんでもない音です。

伝搬を確認するまでもなく、その音は「ゴー」という下方向からの音紛れもなく「地下鉄の音・振動」でした。

 

その通りの下を通る地下鉄の時刻表を基に、測定値を比べてみると、建物の遠くを通る上り電車よりも、近くを通る下りの地下鉄電車の方が、約10dBも大きくなっていました

これだけ明確に測定できたことは、初めてです。

 

このマンションは、築後約20年、これまでの所有者=売り主は、イベントなどに使っていて、この戸内で生活はされていなかったようです。

 

戸内すべてを測定し、平面的、立面的に最も大きい音エネルギーが伝搬している場所は、窓側の角付近でした。

図面を見るとそこには、柱があり、その基礎地下には、直径1.7mの地中杭が、支持層のあるGL−33mまで、達していることが分かりました。

 

一方地下鉄の線路がある深度は、GL−約20m辺りを通っており、トンネル内には留置線があり上りと下り、合わせて3線路が平行してマンション前の道路下を通っていることが、分かりました。

道路幅から計算してみると、そのトンネルの壁の位置は、何と地中杭から2〜3m離れた位置を通っていることが分かりました。

 

ここまで分かってきましたが、さて、どう進めたらよいか?

 

いろいろご相談いたしましたが、こうなって来ると、先ず進めるべき選択肢は、「解約」です。

宅建法上、売り主は、「重要事項説明書」にこういう騒音があることを、書いていなければならないはずで、書いていない場合、「無条件解約」ができるはずです。ボクは宅建主任の資格も持っていて、かつて土地・建物の売買・仲介の仕事をしていたこともあります。

進めるべき方向は、ハッキリしているので、相手、仲介業者を通して、売り主さんに「解約」の交渉ができるだけの「報告書」を作成しました。

 

結果をお話しすると、「買い戻し」ということになったそうです。

「無条件解約」となると、契約・登記にかかった費用などを、売り主側が負担しなければなりません。

それを避けるため「買い戻し」ということになった模様です。

 

ご相談者からは、「費用に掛かった約100万円くらいは、損したけれど、善かった」とおっしゃっていただき、ボクもホッとしました。

こういう結果は、希有のことと、ボクには思われます。

売り主さんも、良心の呵責を感じて、そういう選択をされたのかな?と想像しています。

まだまだ世の中、捨てたもんじゃぁ、ないな、とあらためて感じました。

電車・地下鉄の騒音 | 12:31 | - | - | - | - |

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