“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

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マンションの24時間換気システム、とんでもない騒音発生装置

秋になって、いや今年は秋がほとんど無かったので、「気温が低くなって」と言い換えますが、窓を閉め、気密性が高くなると、途端に「マンションの騒音」のご相談が増えます。今まで外からの音にマスキングされていた『問題の音』が、姿を現します

毎年このシーズンは、そうです。

 

今年の特徴は、『24時間換気システム』からの騒音です。

最近のマンションは、バスルームの天井に、かなり大きめの『換気扇』が付いています。

いやこれはもう『換気扇』とは違い、24時間換気・通常の換気・暖房・乾燥ができる、『空調システム』になっています。

それは確かに、生活には便利。新しく売り出されるマンションには、「必ず」と言ってよいほど、セールス・ポイントになっているようです。

 

ここでは仮に、「マンションA」、「マンションB」、「マンションC」としておきます。

伝搬してくる「マンションA」のピーク音は、25Hzの低周波音が45dBと、400Hzの中周波音が40dB、

ちなみに何もない時の音、『暗騒音』は25Hzで35dB、400Hzで12dB。

 

伝搬してくる「マンションB」のピーク音は、31.5Hzが40dB、80Hzが35dBの低周波音、

ちなみに何もない時の音、『暗騒音』は25Hzで27dB、80Hzで22dB。

 

伝搬してくる「マンションC」のピーク音は、40Hzの低周波音が65dB

こちらは夜8時頃から測定していたのに、『暗騒音』らしきものは、採れませんでした。四六時中、その音が途切れる時がありませんでした

この65dBは、かなりの音で、凡人のボクにはとてもジッとしていられない、くらいな音でした。

しかもここにお住まいの奥様は、どうも低周波音が他人よりもよく聴える方のようで、大変なようです。

 

『音』の周波数・音量は、マンションにより、その時々により、違っていますが、これらの音は間違いなく『固体伝搬音』で、その伝搬方向は、すべて中央部、バス・ルームの近辺から、でした。

聴診器で聴いてみると、それは「ブーン」というモーター音

そして時々、音が途切れたり、伝搬方向が変わったり、隣接している戸の何処かから、いつも伝搬しているようでした

 

実際に、そのお宅の換気扇のスィッチを入れて、換気・暖房・乾燥など、音を採ってみると、間違いなくそれらの音は、

伝搬している『問題の音』の周波数と一致していました。

それでも推測の域を出ませんが、「騒音源は、24時間換気システム」ということは、間違いなさそうです。

 

では、その『騒音問題』を、どうやって解決して行こうか?

 

先ずは、『直接』交渉は、止めた方が善い、とお話ししました。

言われる立場から考えると、「オマエが犯人だ」と言われているようなもの。

好い気持ちはしません。

下手をすると、こじれて、感情的になって、ケンカ状態になり得ます。

 

ここはともかく、管理組合・管理会社に、「専門家に測定してもらった結果、こういう音が伝搬している」と、報告書とともに訴えて、解決の方向に向けてもらう、という方法が、ベストだ、とお話ししました。

 

しかしそれで、動いてくれるかどうか?

 

現在のところ、その結果ですが、マンションAとBは、有耶無耶になっています。

マンションCだけが、解決に向けて、動いてくれている、ようです。

 

でも、いずれの戸にも標準で付いている『24時間換気システム』。

何とかするとしたら、全戸に対策、ということになります。

それは、並大抵のことではありません。

 

なかなか難しい問題です。

 

でもせめて、造ったメーカー、取り付けた工事業者、売ったマンション業者、付け加えるなら、マンションの設計業者、

みんなが揃って、何とかしなければ、これからますます『24時間換気システムの騒音問題』は増加していくことでしょう

最悪の場合、エコ・キュートのように騒音問題から、大変な社会問題になって行くかも知れません。

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