“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
騒音調査・防音対策の お問合せ

低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

神奈川県 川崎市麻生区
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株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745

六番町店 ダ・ヴィンチ店
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事前の緩衝マット…下階に迷惑を掛けたくない

以前ブログにも書いた、新築マンションをご購入後、下階に迷惑を掛けたくない、というお気持ちから、子どもさんが走り回るだろう廊下・室内の床に、『緩衝マット9』を敷き詰められた方から、ご依頼があって、先月、新たに別の室の床に、緩衝マットを敷くお手伝いをしてきました。

 

前回は、マットの厚さ分床が上がるので、建具の高さ調整が必要だったので、職人さんに頼みましたが、今回は、開きドアの部分だけ緩衝材を減らして、ご依頼の方と一緒に、施工しました。

DIYです

 

今回使用したマットは、新しく開発した『緩衝マット11』です。

前回の『緩衝マット9』は、およそ体重が20キロくらいまでの「お子さんが、走り回る衝撃」を吸収する性能でしたが、今回開発した『緩衝マット11』は、およそ体重70キロくらいまでの、「大人のカカト歩き衝撃」くらいまでは、吸収できています。未だ正式に大阪の試験所で、測定していませんが、鉄骨造の2階会議室に敷いて、1階の事務室で、全く聴えないレベルの性能でした。もちろん土足です。

 

今回は、子どもさんが大きくなり、専用の子ども室を用意することになり、その子ども室の床に『緩衝マット11』を敷き詰める工事でした。

結果は、未だお聞きしていませんが、前回の『マット9』は、下階の方からは「全然聴えない」というお話しでした。

今回の方が強力なので、もっと聴えないのでは?と推測しています。

 

マンションは『共同住宅』です。

いろいろな、たくさんの人が一緒に暮らしている建物です。

他人に迷惑を掛けないことは、最低限、必要なことと思います。

しかし、おカネが掛かります。

なかなか事前に、予防としてできることではありません。

 

このご相談者に、ボクは敬意を表しています。

マンション騒音、ボイド・スラブの話し

昨年久しぶりに、ボイド・スラブの影響と思われる、マンション騒音に出会いました
そう、ボイド・スラブは、10年〜15年前くらい、アッという間に拡がりましたが、アッという間に消えてしまいました。
恐らく『音』の問題から、と思われます。

最近、タワー・マンションなど高級マンションを中心に、またぞろ流行っているようです。
『ボイド・スラブ』が原因、と思われるご相談は、2年前くらいにも、このブログに上げましたが、それは『ボイド・スラブ』自体の遮音性よりも、梁・柱の取り合いのスキ間が、起因しているのでは、と思われる『騒音問題』でした。

今回の場合は、「生活音はもちろんだけれども、夜中に約10秒おきくらいに、『カン』という間欠音がする」というご相談でした。
その『問題の音』を採るため、そのお宅内で待機していて、深夜0時を過ぎた頃、やっとその音が捉えられました。
その室の『暗騒音』(何もない普段の音)と『問題の音』を比較してみました。

中央林間・ボイドスラブ

『問題の音』、『カン音』は、100〜630Hzの中音、4000〜8000Hzの高音を持つ『複合音』であることが、分かります。
『暗騒音』と比べて、100Hzで約20デシベルの差があります
20デシベルあると、人の耳には、4倍の音に聴えます

その音の大きさが、深夜には気になるのですが、それ以前には、上階のバスをお使いになっている、シャワーの音・洗面器らしき床に当たる音などが、ハッキリ聴えました。
そのこと自体が、問題では?と思いつつ、測定していました。

今回の騒音源は、上階のバス、水滴が床に当たると思われる音、『カン音』が原因、と推定されました。
その音が、ここまで大きく聴える原因は、やはり『ボイド・スラブ』の問題、と考えざるを得ません。

そのボイド・スラブ床の断面は、右のボイド・スラブ断面
ようですが、断面にある楕円形の空間
で、ある周波数の音が『共振・共鳴現象』
を起こし、下階に伝わっている
、と考え
られます。

また、『床衝撃音』は、空間を除いたコンクリートの床厚で、決定されます
設計上は25僂△襪箸いΑ今回のボイド・スラブは、その上の現場打ちコンクリートを加えても、約12僂らいと推測されます。
現在のマンションのコンクリートのほとんどは、20僂慮さがあります。
それだけ大きな音が、下階に伝わっている、ということになります。
『遮音性能』だけではなく、『床衝撃音』にも不利、ということになります。

ボイド・スラブが多用される原因は、コストと時間にあります。
梁間を長くでき、現場作業が短く、人工(ニンク)も少なくなります。
その経済論理の元、ここまで流行っていることは、大変な問題、「音を何とかしてから、使えよ!」と言いたくなります。

下階からの騒音、とんでもない住人

今年の夏頃、ご相談があったのは、マンションの下階からの音がうるさい、というご相談。
『上階からの音』に悩まされている人が多いのに、『下階からの音』とは。
何度もメールでやりとりしたところ、下階の住人が深夜、0時を過ぎた頃から、音楽をガンガンかけている、とのこと。

だったら、直接「止めてくれ」と言いに行ったら?
絶対に出て来ない、とのこと。

だったら、管理組合・管理会社に言って、止めさせてもらえば?
→管理会社の担当が、何度行っても、出て来ない
 文章にして、ポストに入れても、止めない
 読んでいる形跡もない。
 張り紙もしているけど、全く効果がない

それではしょうがないから、音を出している事実を、ボクが測定し、報告書を作成し、それを弁護士さんを通じて、止めさせよう、ということになりました。
ボクも深夜の測定調査は、基本的にお断りしているけれど、こういう事情では、他に方法がないので、お受けしました。

朝5時頃、そっと行って、待っていても、その日に限って、全く静か。
何日かして、確実と思われる日に、再度うかがいましたが、全くの静か。

どうもボクが行くことが、分かっているのかも?
この先どうしようか?

と言っている先頃、見るに見かねて、他の住人の方が、「ともかく会って、話さなければ、何ともならない」という義侠心から、

いつもは寝ている時間と思われる午前中、ドアをガンガン叩いて、ともかく出て来させました。
「いい加減にしろ!」と言ったけれど、「はい、分かりました」とは言うものの、全くこたえていない様子。
「ごめんなさい」、あやまりの言葉もなく、何にも悪いことをしている、という気持ちは無さそう
どうも見ていても、悪意がある訳でもなく、ただ分かっていないのでは?

それで3・4日静かにしていたそうですが、やはりまた元に戻ってしまった、とのこと。
そんなことが、繰り返され、マンション中に火が付いて、「強制的に退去させろ」とか、強硬論も出ている様子。

この先、どうしたら解決に進めるのか?
どうも、ボクの出番がある訳でもなく、ボクが出しゃばる訳にもいかず、
一体どうなって行くのか?

世の中には、本当に訳の分からない、信じられないような人間が居るんだなぁ、
つくづく考えさせられています。

新築マンションで、床の防音工事をしました

先日、新築のマンションで、床の防音工事をしました。

マンションの騒音問題の中で、半分以上が、『上下階の騒音問題』です
騒音問題が起きてから、ご相談があります。
ところが、今回は、新築のマンション、「住む前に床の防音工事をしたい」というご相談でした。

その理由は、「子どもが未だ小さく、他人に迷惑を掛けたくないから」というお話し。
初めてのことです。

それは、大変なことです。
マンションを購入するのに、大変なのに、その上『床の防音工事』もしよう、というお話しなのですから…

いつもパートナーとして、工事をやっている業者と相談しました。
どうしたら、安く、コストを掛けずにできるか?

選んだ方法は、新装の床フローリングの上に、子どもの走り回る衝撃・振動を吸収するのに適した、ボクが特注しているフェルトとゴムを敷いて、その上にネットで売っている、リーズナブルなカーペットを敷く方法でした。

歩いてみて、クッションが良く、ボクが普通に歩いても、まったく床に衝撃・振動が伝わらないように、感じました

喜んでいただけ、ボクもうれしかったですが、それ以上に、そこまで他人のことを想い、やろう、という決断をされたご相談者に対して、敬意を感じ、感激いたしました

こういう人が増えてくれば、マンションの騒音問題はどんどん減ってくるでしょう。
なかなか、できないことだとは、思いますが。

マンション、上階からの騒音を止める方法

マンションの上下階、騒音問題。
ざっと調べてみたところ、これまでに、だいたい60件くらい関わってきたことが分かりました。全体の1/3くらいでしょうか。
本当に、多いです。

その内、実際に測定したものだけでも、40件くらいになることが分かりました。
それらの記録を眺めていて、ふと気が付いたことがあります。
足音と思われる測定グラフの波形の、ピークが少しずつ違っているのです。
低い音だと31.5Hzくらいから、中音域の250Hzくらいまで、ピークがマンションによって、変わっているのです

その違いは、床上のフローリングからコンクリート・スラブまでの距離、コンクリート・スラブの梁間のスパン距離、厚さ、たわみ量、天井裏のコンクリートから天井面までの距離に関係しています。
そんなことは、前から分かって、仕事をしていたのですが、その関係性を調べたことは、これまで一度もありませんでした。

そう気が付いて、データーを整理し始めました。
その中で、少し見えてきたのは、一番関係性が多いと思われることは、
『そのピークがある周波数は、主に天井裏の距離に関係しているのでは?』ということです。
未だ途中なので、確かなことは言えませんが、どうも関係が確かにあるようです。

研究して、これからの仕事に活かして行けたら、と考えています。

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