“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

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株式会社ヴォイス

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吸水管の「ウィーン」という共振音

昨年末、あるマンションで、珍しい「音」に出会いました。

「問題の音」を訴えてみえる方の室内にうかがい、「問題の音」を採ることができました。

その「問題の音」は、「ウィーン」と唸る、400Hz・800Hz・2500Hzをピークに持つ『複合音』でした。

ウィーンという音グラフ

 

その音は、常時聴える訳ではなく、断続的に起こり、しばらく続く連続音で、規則性はありません。

この「ウィーン」という音は、以前何処かで聴いたことがある、と感じ、一所懸命これまでの記憶をたどってみました。

その音は「給水管の共振」であることを、想い出しました。

 

音をたどって、外の廊下に出てみました。

しばらくすると、外廊下でもよく聴え、その音が最も大きい戸の前にたどり着きました。

 

どうも、メーターボックスの中から、音が出ているようです。

管理会社の方がみえたので、その戸のインターフォンを押してもらいました。

幸いご在宅で、事情をご説明して、中に入れていただきました。

 

そして、「問題の音」がする、メーターボックスに近い、洗面の水栓を開いていただきました。

すると室内では、かすかに「ウィーン」と聴える音が、外のメーターボックスからは、大きな音になって、響いていました。

その音源は、どうもメーター直後の給水弁の辺りから、発生していることが分かりました。

 

給水管が振動しています

水栓の開き具合によって、給水弁近くの管が『共振』を起こし、発生していることが、分かりました。

原因が分かれば、対策は簡単。

給水弁の開きを大きくしてもらったら、「問題の音」は止みました

 

今は少なくなりましたが、給水管で最も多い「音」は、「ウォーター・ハンマー現象」です。

通気がうまく行かず、開栓すると、管の中の水が「ガン」という衝撃音を発生させる、という現象です。

通気管が設備してあれば、ほとんど起きない現象です。

 

この「ウィーン」という音は、結構珍しい、そう、かつて都営住宅で1件あったくらいの、珍しい現象でした。

最近多くなってきた、騒音問題…浴室換気乾燥暖房とディスポーザー

 やっと時間ができました。

何と、昨年の12月以来、なのですね。

今回は、長くサボり過ぎてしまったようです。

 

 書きたいことは、たくさん有ります。

有りすぎて、何から書こうか?迷った結果、最近多くなってきた、「浴室換気・乾燥・暖房機」「ディスポーザー」からの騒音、これから始めます。

 

 先ず「浴室換気・乾燥・暖房機」

最近売り出しのマンション、ほとんどにこの機械が付いています。

キャッチ・アイテムなのでしょうか。

 昨年から今年に掛けて、ご相談が多く、測定調査にうかがい、解決のための「報告書」を作成してきました。

メーカー・機種により、ピークの周波数・音量に違いがありますが、すべて、低周波音については、環境省「低周波音問題対応の手引き書」、「心身に係る苦情に関する参照値」を、大きく超えていました

南大沢グラフ
 

 このグラフは、都内マンション・自宅内の測定結果です。

立ち入り確認ができませんでしたが、発生源は上階から、と思われました。

この機械の場合は、低周波音・40Hzのピークが、参照値を超えていました

文字が小さくて、見難いかも知れませんが、廊下・洗面・室内、すべてで大きく響いていました。

ボクの感覚では、「ぜん動する」という感じで、床が唸っていました

 

 他のマンションでは、ここまで大きくはなく、周波数も違っていたりしていましたが、似たような音・振動になっていました

これは、管理組合の問題にとどまらず、売り主・設計者・施工者・メーカーの責任なのでは?とボクには、思えます。

案の定、管理会社は「個人の問題」として、拡大を抑えてしまいました

 

 結局、この方は、売却して、建て売り戸建て住宅を買われ、引っ越してしまわれました。

実は前後して2件、ご相談者が同じように売却され、引っ越しをされました。

同じように、管理会社は「個人の問題」として、取り合おうとしてくれなかったようです。

 


 これと同質の問題として、最近「ディスポーザー」の騒音問題が、多くなってきました。

実は10数年前、アメリカに憧れて、ディスポーザー付きのマンションが流行ったことがありました。

その時は音はともかく、排水管のつまり、臭いなどが大問題になり、結局東京都が下水処理ができないとして、ディスポーザーを認めない決定を出し、それ以降無くなった問題でした。

 それが最近、認められるようになったのか、高級マンションにはほとんど、ディスポーザー付きで売り出されています。

以前のものと違うのは、排水管の先に処理設備を設け、再処理しているようです

 今回の騒音問題は、この処理設備からの騒音、問題です。

これはつい最近の問題で、売り主が相手になっている場合が多いようです。

引き渡し前、もしくは後でも間が無いので、売り主が交渉相手になっているようです。

 

これも「浴室換気・乾燥・暖房機」と同様、売り主・設計者・施工者・メーカーの責任なのでは?とボクは、考えます。

 

マンションの24時間換気システム、とんでもない騒音発生装置

秋になって、いや今年は秋がほとんど無かったので、「気温が低くなって」と言い換えますが、窓を閉め、気密性が高くなると、途端に「マンションの騒音」のご相談が増えます。今まで外からの音にマスキングされていた『問題の音』が、姿を現します

毎年このシーズンは、そうです。

 

今年の特徴は、『24時間換気システム』からの騒音です。

最近のマンションは、バスルームの天井に、かなり大きめの『換気扇』が付いています。

いやこれはもう『換気扇』とは違い、24時間換気・通常の換気・暖房・乾燥ができる、『空調システム』になっています。

それは確かに、生活には便利。新しく売り出されるマンションには、「必ず」と言ってよいほど、セールス・ポイントになっているようです。

 

ここでは仮に、「マンションA」、「マンションB」、「マンションC」としておきます。

伝搬してくる「マンションA」のピーク音は、25Hzの低周波音が45dBと、400Hzの中周波音が40dB、

ちなみに何もない時の音、『暗騒音』は25Hzで35dB、400Hzで12dB。

 

伝搬してくる「マンションB」のピーク音は、31.5Hzが40dB、80Hzが35dBの低周波音、

ちなみに何もない時の音、『暗騒音』は25Hzで27dB、80Hzで22dB。

 

伝搬してくる「マンションC」のピーク音は、40Hzの低周波音が65dB

こちらは夜8時頃から測定していたのに、『暗騒音』らしきものは、採れませんでした。四六時中、その音が途切れる時がありませんでした

この65dBは、かなりの音で、凡人のボクにはとてもジッとしていられない、くらいな音でした。

しかもここにお住まいの奥様は、どうも低周波音が他人よりもよく聴える方のようで、大変なようです。

 

『音』の周波数・音量は、マンションにより、その時々により、違っていますが、これらの音は間違いなく『固体伝搬音』で、その伝搬方向は、すべて中央部、バス・ルームの近辺から、でした。

聴診器で聴いてみると、それは「ブーン」というモーター音

そして時々、音が途切れたり、伝搬方向が変わったり、隣接している戸の何処かから、いつも伝搬しているようでした

 

実際に、そのお宅の換気扇のスィッチを入れて、換気・暖房・乾燥など、音を採ってみると、間違いなくそれらの音は、

伝搬している『問題の音』の周波数と一致していました。

それでも推測の域を出ませんが、「騒音源は、24時間換気システム」ということは、間違いなさそうです。

 

では、その『騒音問題』を、どうやって解決して行こうか?

 

先ずは、『直接』交渉は、止めた方が善い、とお話ししました。

言われる立場から考えると、「オマエが犯人だ」と言われているようなもの。

好い気持ちはしません。

下手をすると、こじれて、感情的になって、ケンカ状態になり得ます。

 

ここはともかく、管理組合・管理会社に、「専門家に測定してもらった結果、こういう音が伝搬している」と、報告書とともに訴えて、解決の方向に向けてもらう、という方法が、ベストだ、とお話ししました。

 

しかしそれで、動いてくれるかどうか?

 

現在のところ、その結果ですが、マンションAとBは、有耶無耶になっています。

マンションCだけが、解決に向けて、動いてくれている、ようです。

 

でも、いずれの戸にも標準で付いている『24時間換気システム』。

何とかするとしたら、全戸に対策、ということになります。

それは、並大抵のことではありません。

 

なかなか難しい問題です。

 

でもせめて、造ったメーカー、取り付けた工事業者、売ったマンション業者、付け加えるなら、マンションの設計業者、

みんなが揃って、何とかしなければ、これからますます『24時間換気システムの騒音問題』は増加していくことでしょう

最悪の場合、エコ・キュートのように騒音問題から、大変な社会問題になって行くかも知れません。

マンション騒音…1階店舗からのとんでもない、複合低周波騒音(その2)

以前書いた、「1階店舗からのとんでもない、複合低周波騒音(その1)」の続き。

 

結局、その2階の室は、住めず、貸せず、空室のまま、裁判・訴訟、ということになりました

民法上の「受忍限度を超えている」というところで、住めず、貸せない室の、損害金額プラス慰謝料という、訴訟です。

1階の店舗は、全国的に有名な、飲食店舗。かつてブラック企業として、ネットでも騒がれた店舗です。

 

そこを貸している不動産屋さんを間に立て、1階店舗の中を測定することができました。

その結果、天井に吊っている排気ダクトの吸・排気口の音と、2階の室内・リビングの受音の波形、成分が一致しました

下のグラフのようです。

大久保騒音比較グラフ

明らかに、40Hz、1オクターブ高い80Hz、それに小型モーターからと思われる、315Hzの音が伝搬しています。

特に315Hzの音は、『固体伝搬』の媒体、鋼製ボルト、コンクリートなどの固有振動数が近いのか、『共振透過』に近い音エネルギー量になっています

 

実際にこの音が、2階の室内で、一番大きく聴えていました。

これは、低周波音ではありません。

男性のやや高い声くらいの周波数の音、「ブーン」という音です。

これが60dBを超える、大きな音で、とても室内に居られないレベルの『騒音』です

 


実は、訴訟になる前は、調停申請を出されたようです。

しかし、相手の会社からは、誰も出て来ず、調停すらなされず、訴訟ということになったようです。

それ以前に、「問題の音は、下階から伝搬している」と結論づけた、ボクの報告書を受け取っているのに、対策はおろか、何の返答も、帰ってこない、という情況でした。

 

これまでボクは、数多くの騒音問題に掛かる裁判に、関わってきましたが、これほどヒドイ対応は、初めてです。

普通であれば、店舗を運営している会社は、社会的に悪い評判が立たないように、必ず対応します。

この会社は、対応すらしない、とても常識では考えられない会社、でした。

 

その後、訴訟がどうなっているのか、未だ分かりません。

何の知らせも無いところを見ると、どうも、うまく進んでいない、と思われます。

 

「対策ができない訳ではなく、その気がない」という考えられない会社、人たちのようです。

この厚い壁に、怒りを通り越して、何にもできない無力さ、悲しさに埋もれています。

何とか、できないものでしょうか?

マンションの騒音問題とマスコミ

先日、後味の悪い問い合わせがありました。

それは某テレビ、ニュース番組の特集として、『マンションの騒音問題』を取り上げたい、というボクにとっては、ありがたい、うれしいお話しでした。

マンションの騒音問題を解決するには、一般の人たちの理解こそ、最も大事なことだ、とボクは考えているから、です。

先ず、女性から電話で、そのような趣旨のお話しがあり、ボクは「それは、ありがたいことです。」とお答えしました。

それで、どのように捉え、どのように進めて行くか?お話を聞いていると、だんだん、???という気持ちになってきました。

そして最後に、「どなたか、騒音で困っている方を、ご紹介くださいませんか?」と言われて初めて、気が付きました。

そうだ、そうだったんだ!

 

マンションの騒音問題の特徴は先ず、法律がないことです。

そのために、「個人の感覚だ」とか「あなただけでしょう」など、管理会社から、突き放されるのです。

何とか、管理組合に持ち込んでも、逆に変なマンション規約によって、騒音に困っている方たちが、追い詰められているのです。

「個人のトラブルに、管理組合は介入しない」とか

「民事の争いには介入しない」とか

訴えれば訴えるほど、マンション内で、村八分になって、相手にされなくなっているのです。

 

マンションの騒音問題にお悩みの方たちは、非常に困難な境遇にあるところを、解決に向け、ボクも一緒になって、考え、やれることを実践し、それでもなかなか前に進めない、そんな情況の中にいるのに、悩みをネタに、商売をしよう、なんて、許せない気持ちで、イッパイになりました。

 

ついつい感情が入って、「ふざけるな!どれだけ皆、苦しんでいると思うんですか!」

と言ってしまいました。

 

可能性として、マスコミに取り上げられることで、そういった事情を知らなかった人たちは、「ああ、そんなに困っているんだ」

何とかしてあげなくっちゃ、と考えてくださる方もみえるかも知れません。

しかしマスコミのニュースと一般の人たちの関係は、簡単に言うと、ウケをねらうマスコミと、それをウォッチャーになってしまう、一般の人の関係になってしまいます。

そして、ドンドン流されてしまいます。

とても、解決には向かいません。

 

そんな問題ではない!

とボクはいつも考えて、やっています。

 

その後も、テレビ番組の制作会社から、変なメールが入ったりしましたが、ボクはお断りしました。

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