“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

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これまでで最も難しい騒音源探し…ピチャ音とトン音が重なる

これまでで、最も難しい「音源」探し、先日出会いました。

それは、西日本のマンション、管理会社の方からのご相談でした。

 

調査にうかがって、「ピチャ」という音と、「トン」という音が、1階の集会室で、同時に聴えていました。

うかがったのは、夜の19時過ぎ、23時頃まで続きました。屋内を調べて回り、最も大きかったのは、集会室の隣の倉庫内で、露呈している排水管からでした。

どうも問題の音」は、「水」に関係していて、水道管からコンクリートに『固体伝搬』し、室内に『空中放射』されている、というところまでは、分かりました。

 

隣接している各戸のご協力いただき、測定して回ったところ、1階の集会室の界壁裏の戸内が、「問題の音」が最大になっていました。

そこまでは、明らかにできたのですが、そこから先の『伝搬経路』が分かりません。壁・天井・床をこわすことができれば、直ぐに確かめられるのですが、そうは行きません。騒音音源調査は、壁にぶつかってしまいました。

仕方がないので、問題の音が出ているだろう、翌朝、もう一度調査をする、ということで、その日は終わりました。

 

ホテルに帰っても、寝られず、その日の測定結果と、いただいた竣工図、特に設備図を引っ張り出し、様々な音源・伝搬経路の検討をしました。

その結果、「ピチャ」という音と、「トン」という音の大きい場所が、異なることに気が付きました。

「ピチャ」という音が大きい、1階の戸内と、「トン」という音が最も大きい集会室周辺に、翌朝、再度うかがって、それぞれの「音」について、最初から追跡し直そう、と決心しました。最大の場所の近くに、音源はある、という原則通り、そこからもう一度、始めることに決め、やっと寝られることができました。

 

「問題の音」が出ているのは、時間的には、夜と朝。どうも「水」をよく使う時間に、発生している、ということが分かっています。

そして「問題の音」が大きいのは、集会室と、界壁を隔てた1階のある戸

その近くに、音源があることは、確実です

 

【「ピチャ」という音】

「ピチャ」という音が大きいのは、1階のある戸のキッチン側の間仕切り壁とコンクリート界壁、特に排気管が通っている、と思われる梁型の前が、最大

これまでの経験から、推測をすると「ピチャ」という音は、水滴が垂れ、管底に溜まっている水に当たる音では、と思われます。その音・振動が、隣接している排気管に「固体伝搬」し、コンクリートに「固体伝搬」しているのでは、と推測されます。

また、排気管から「空中放射」される音・振動が、梁型を形作っているプラスター・ボードとの空間で、「タイコ現象」を起こし室内に「空気伝搬」、「空中放射」されている、と思われます。

その音の間隔は、数秒間隔。

 

【「トン」という音】

「トン」という音は、1階のその戸の界壁の真裏に当たる、集会室の壁・梁が最大でした。

集会室内よりも大きな測定値が測定されたのは、その隣の倉庫内で、露出して並んでいる、給水・排水管。その中で最大だったのは上階からの排水管でした。こちらは、幸いにも、仕上げがない倉庫内だったので、音を伝搬している排水管を特定できました。

これまでの経験から、排水管で「トン」という音源は、排水管内で、水滴が垂れ、管底に当たる音でした。こちらは、水は溜まっていない状態の場合でした。

その音の間隔は、やはり数秒間隔でした。

 

どうも「問題の音」、「ピチャ」音と「トン」音は、音質と最大の場所が違っていて、発生している場所が違うようです

 

 

でも、ここから先は、調べようがありません。

壁を破り、床をめくらない限りは、確認しようがありません。

ここから先は、給排水設備の業者さんを中心に、排水管をたどっていく他は、できません。

 

結局、そういう報告書を作成し、そこから先の調査を、移譲しました。

残念ながら、その後のご報告、お知らせは、未だ届いていません。

「シャー」という音…給水管からの音

先日、またまた「珍しい騒音」に出会いました。

その音は、「シャー」という、正にエアーとか水が漏れているような音でした。

 

マンション1階の外廊下では、何か聴えるな、くらいな音が、その室内では、かなりな音になっていました。

そのマンションは外廊下が北側にあり、それに面して、羊羹を切ったような形で、各戸が設けてある、という配置でした。

 

「シャー」という音は、測定してみると、1250Hz・1600Hzという高音にピークがある音でした。

その「問題の音」、「シャー」という音をたどって、音源を探索してみました。

 

その戸内では、南窓側が小さい音で、明らかに北窓側が大きな音になっていました。

そのその外廊下に面している、北側の窓・壁を入念に測定してみました。

その結果、壁面の東側、それも床近くが、最も大きな音になっていることが分かりました。

 

その1250・1600Hzをピークに持つ音が、大きい方に、音源はあります

 

戸外の外廊下に出ると、自動車などの音に「マスキング」され、「問題の音」はあまり大きく聴えません。

でも測定してみると、戸内よりも大きな音になっています。

その周辺に音源はある、ということが、明らかになりました。

 

「シャー」という音は、エアーか水か?

マンションなので、エアー・コンプレッサーはありません。

ガスが漏れていれば、大変なことになります。

しかし、臭いはありません。

残るは、水しかなさそうです

 

建物の図面を見ると、その外廊下の下に、40个竜訖經匹通っていることになっています。

先ずはそれが怪しい、ということで、地上に出ている、周辺の戸のメーター・ボックス内にある、管・メーターを測定してみました。

「問題の音」は、その戸が最も大きくなっています。

 

そこで今度は、外廊下の床面の音をたどってみました

その結果、その戸の玄関ドア脇が最も大きくなっています。

そう、その場所は、戸内の北壁・東・床の、ちょうど真裏に当たります

 

今度はその位置から直角、北方向を測定してみました。

すると、外廊下のフェス側の床が、最も大きな音になっています。

そのフェンスの外側は、いきなり小さくなっていました。

 

「音源」は、その近くのコンクリート下にある、40个竜訖經匹ら、と考えられます。

その管は、市の所有なので、勝手に処置できません。

それ以上は、追跡できないので、そこまでで調査は止めました。

その後、お礼のメールが届きましたので、うまく処理できたのでは、と思われます。

 

給水管の「ウィーン」という共振音

昨年末、あるマンションで、珍しい「音」に出会いました。

「問題の音」を訴えてみえる方の室内にうかがい、「問題の音」を採ることができました。

その「問題の音」は、「ウィーン」と唸る、400Hz・800Hz・2500Hzをピークに持つ『複合音』でした。

ウィーンという音グラフ

 

その音は、常時聴える訳ではなく、断続的に起こり、しばらく続く連続音で、規則性はありません。

この「ウィーン」という音は、以前何処かで聴いたことがある、と感じ、一所懸命これまでの記憶をたどってみました。

その音は「給水管の共振」であることを、想い出しました。

 

音をたどって、外の廊下に出てみました。

しばらくすると、外廊下でもよく聴え、その音が最も大きい戸の前にたどり着きました。

 

どうも、メーターボックスの中から、音が出ているようです。

管理会社の方がみえたので、その戸のインターフォンを押してもらいました。

幸いご在宅で、事情をご説明して、中に入れていただきました。

 

そして、「問題の音」がする、メーターボックスに近い、洗面の水栓を開いていただきました。

すると室内では、かすかに「ウィーン」と聴える音が、外のメーターボックスからは、大きな音になって、響いていました。

その音源は、どうもメーター直後の給水弁の辺りから、発生していることが分かりました。

 

給水管が振動しています

水栓の開き具合によって、給水弁近くの管が『共振』を起こし、発生していることが、分かりました。

原因が分かれば、対策は簡単。

給水弁の開きを大きくしてもらったら、「問題の音」は止みました

 

今は少なくなりましたが、給水管で最も多い「音」は、「ウォーター・ハンマー現象」です。

通気がうまく行かず、開栓すると、管の中の水が「ガン」という衝撃音を発生させる、という現象です。

通気管が設備してあれば、ほとんど起きない現象です。

 

この「ウィーン」という音は、結構珍しい、そう、かつて都営住宅で1件あったくらいの、珍しい現象でした。

バカにならない、水滴音…マンションの騒音

昨年秋頃から、連続して『水に因る騒音』の相談が、ありました。
それはシャーというような『水流音』ではなく、ポタッ、タンというような『水滴』に因る騒音でした。

一つは、1階にお住まいの方からで、「夜に、カンという音がする」というご相談でした。
その方は、その音源が、バス・洗面などのパイプ・シャフトからであることを、突き止められていました。

ここが大切なことですが、測定調査に当たり、先ず上階の方にお話しして、シャワーを流したり、トイレの水を流したり、という

ご協力をいただきました

うかがって先ず、上階の方にご挨拶、携帯電話により、水を流していただき、それを測定する、という段取りを付けました。
先ずバスの点検口を開け、排水縦管が見えるようにし、電話でシャワーを流していただきました。
最初は、「シャー」という水流音だけでしたが、しばらくして「カーン」という衝撃音らしき音が、約10秒おきにし始まりました。
これが『問題の音』でした。

瞬間ですが60デシベルくらいの音になります。
周囲に何も音がない時の『暗騒音』は、20デシベル以下。
それは、ドキッとします。

排水系統図を見ると、そこのパイプ・シャフトに、上階からのバス・洗面など雑排水縦管とトイレの汚水縦管が通っており、地上で横配管になっていました。
それ以上は、推測になりますが、上階のバス排水が横引き管で、縦管に接続されているところに、繊維くず・髪の毛などが固まっていて、そこから『しずく』が、1階の横配管に当たる音が、「カーン」という音になるのでは?と考えました。

対策として、上階の排水管のジェット洗浄をご提案したところ、それで『問題の音』は無くなりました。

もうひとつは、1階ではなく、2階の方からのご相談で、やはり夜中に「カン」という音がする、というご相談でした。
そこは、上階の方のご協力をお願いできない情況だったので、音がする、という時間に、やはりバスの天井点検口を開け、そこで待機しました。

すると、しばらくして「カン」という問題の音がしました。
実はその音の前は、シャワーをお使いになっている水流音、水を流す水流音が聴えていました。バスをお使いになってみえたようですが、その音が眼の前にあるように、よく聴えていました。
「よく聴えるなぁ」と感じました。

バスの音が止んだ10秒後くらい、その「カン」という音が始まりました。
推測になりますが、蛇口などの水滴が、ユニット・バス、FRP板に当たって音を出している、そんなイメージの音でした。
やはり、だいたい10秒間隔くらいで音が続き、しばらくして、その音は止みました。
私が推測したのは、蛇口にサビ・砂などが挟まり、キチッと締まらずに、溜まった水滴が、床に当たっているのでは?と考えました。

それは、水道業者さんに頼めば、すぐに止まりますが、私が気になったのは、「あまりにも、よく聴え過ぎる」ということです。
構造図を見ると、床スラブは、よく問題になる『ボイド・スラブ』でした。
『ボイド・スラブ』は断面中に、管状の空間があり、遮音性能の低下、『共振共鳴』による透過が起こります。
これは、大変な問題です。

その後、管理組合に提議されたと聞いていますが、簡単には改善できません。どうなったのか、気になっています。

マンション騒音…排水音

先月、「マンションのパイプ・シャフトから、異音がして、困っている」というご相談があり、調査におうかがいいたしました。
上階の方にご協力をいただき、
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を流していただき、下階で測定調査いたしました。

先ずシャワーを流していただき、その排水音をバス・ルームの天井点検口から、聴きながら測定してみました。
パイプの中を流れる音が続いていましたが、しばらくしたら突然、「タン」という中音が響きました。
かなりの大きい音で、これはビックリするだろうなぁ、と感じました。
その音が、下記のグラフです。
普段の音、『暗騒音』と比較してみました。
排水80
その「タン」という音は、315Hzという、女性の声くらいの高さの中音を、ピークに持つ音でした。
『暗騒音』と比べて、約30dBも大きい、人の聴感覚では、8倍に聴えるくらいの大きな音でした。
それが深夜にでも聴えれば、ビックリして起きてしまうかも知れません。
それは、大変な問題でした。

その音は、約10秒くらいの間隔で、連続して出ていました。
一方、トイレの排水音では、発生しませんでした。

ボクは、その「タン」という音を聴いて、数年前の都営住宅の騒動を、想い出しました。
その時のご相談者の室は、やはり1階でした。
原因は、雑排水管に溜まった髪の毛・繊維などに水滴ができ、その水滴が、管底に当たり「タン」という音が、発生していました。
上階の雑排水管を、ジェット洗浄したら、その音は止みました。

これは、マンションの1階だから起こり得る、排水管の騒音でした。

雑排水管には、洗面台・洗濯機・バスの排水口などから、髪の毛や繊維が、どうしても流れてしまいます。
それが横引き管の底に、洗剤のカスなどと一緒になって溜まって固まり、パイプシャフトの縦排水管の入口で、垂れて水滴をつくり、その水滴が、1階の床で直角に曲がっている、排水管の管底に当たって、音が発生する、ていう現象でした。

今回の場合は、すぐに管理組合・管理会社が対応して、解決した、ということです。
以前の都営住宅の場合は、かなりもめて、なかなかやってくれず、大変だったようです。
これも、方法を間違えると、大きな問題になることがある、という教訓に、なりました。

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