“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音測定で「問題の音」を特定し、「音源」を特定し、分析をすることから始まります。 その結果に基づいて、防音対策プランを作成し、ご提案します。

神奈川県 川崎市麻生区
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株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745
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六番町店 ダ・ヴィンチ店
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マンション、隣戸の換気扇の音

今年3月、都内のマンションにお住まいの方から、「隣の換気扇の音が、うるさい」、というご相談がありました。

ご相談をされる前に、管理会社を通して、調べてもらったところ、お隣のバス・ルームの換気扇が、古くなっていて、大きな音になっていたので、新品に交換してもらった。

それなのに、まだうるさい。

これ以上は、管理会社は対応できない、ということで、ボクにご相談いただいた、ということでした。

 

早速、調査にうかがいました。

ご相談者がご尽力され、事前にお隣の方の立ち入り調査の、ご了解をいただいていて、管理会社の方にも、お立ち会いいただいた上で、調査はスムーズに進みました。

 

先ずは、ご相談者の「問題の音」が最も大きく響いている、隣戸との界壁に面している、洋室とクロゼット内で測定をしてみました。

結果は、「問題の音」100Hzをピークとする複合音が現れました。

「問題の音」は、洋室よりも北にある、クロゼットの方が大きく壁下よりも壁上の方が大きいことが分かりました。

「問題の音」は、コンクリート界壁からの『固体伝搬音』であり、壁の上の方に『音源』があることが、明らかになりました。

 

「問題の音」と「伝搬経路」を特定したところで、お隣にオジャマさせていただきました。

隣戸に特別な音が無いことを確認し、『音源』と推定されている、新たに交換したバス・ルームの換気扇の音を測定してみました。

「問題の音」と同じ、100Hzをピークとする複合音が、現れました

 

古くなっていた換気扇を、新品に交換してもまだ、「問題の音」は確実に隣戸に、伝搬しているようです。

その『伝搬経路』を特定するために、天井の点検口を開け、換気ダクト管、吊り金物、天井コンクリートを測定してみました。

 

100Hzグラフ

               バス・ルーム「問題の音」100Hzをピークとする複合音のグラフ

 

上記のグラフのように、100Hzをピークとする複合音が、現れました

そして、みごとに『距離減衰』が現れています

明らかに『固体伝搬』している、と分かります

 

しかしこれで終わりではなく、隣室のトイレ換気扇の方が、バス・ルーム以上に大きな音を出していることに気が付きました。

こちらも、グラフにしてみます。

 

                 トイレ「問題の音」100Hzをピークとする複合音のグラフ

こちらの換気扇は、照明と一体になった、かなり古い換気扇でした。70dBを超え、経年変化により、バス・ルームよりも、大きな音になっていました。

こちらも、確実にクロゼットに『固体伝搬』していることが、分かります。

こちらは、界壁とは直接接していないのに、クロゼットには同じくらいの音エネルギー量で、届いています。

 

音源と伝搬経路が分かれば、対策はできます

先ず新品のバス・ルームの換気扇は、コンクリートと接してる、吊り金物、ダクトの『振動絶縁』対策

古いトイレの照明と一体になっている換気扇は、照明と別々に分け、新しい換気扇にしてもらい、かつバス・ルームと同じような、

『振動絶縁』対策をご提案しました。

 

その後、確認はしておりませんが、『解決』したようです。

ガス乾燥機、マンション・バルコニーで防音

先日、都内のマンションにお住まいの方から、ガス乾燥機の騒音について、ご相談がありました。

 

これまで、使っていたガス乾燥機が壊れてしまって、新しいガス乾燥機に取り替えてもらったところ、性能が上がったのか、かなり大きな音になっていて、「このままでは、ご近所に迷惑が掛かる。迷惑を掛けてはいけないので、何とかしたい」という、善意からのご相談でした。

これは、何とかしなくては、と決意し、先ずは測定調査にうかがいました。

 

ガス乾燥機
     バルコニーに設置された、ガス乾燥機

調査にうかがって、先ずはガス乾燥機を運転していただき、

その運転音を、バルコニー、室内の各所で測定してみました。

その結果、『問題の音』は100Hzの音で、お隣の隔壁前で、80.3dBもありました。そう、地下鉄の電車内くらいの騒音でした。

これでは間違いなく、お隣とトラブルになる、と思われます。

 

対策を考えるにあたり、どの音が、何処を伝わって、どのくらいの大きさになっているか?調べてみました。

 

騒音調査の結果、「音」の伝搬ルート、その音エネルギー量が分かりました。

ルート…ガス乾燥機の底・鋼板から『共振振動』が、空中

     に、放射されている。100Hzで85.5dBもあり、

     測定した中で、最大の音量になっていました。

     (『空気伝搬音』)

ルート…スタンドの脚から、床・コンクリートに『振動』が

     大きく伝わっている

     (『固体伝搬音』)

 

というのが、主なルートになっていました。

心配していた、上に付いている排気口からの音は、69.5dBとさほどではありませんでした。

 

室内では、このガス乾燥機が設置されている、真ん前のリビングで45.7dBリビングよりも遠い、お隣の和室内の方は54.5dBと、遠い和室の方が、10dBも大きいことが分かりました。

音エネルギー量と人の聴感覚は、対数の関係で、10dBは2倍に感じます。

何故遠い和室の方が、近いリビングよりも大きいのか?

 

その理由は、『固体伝搬』がカギで、六面がコンクリートから遠い、広いリビングよりも、近くて狭い和室内の方が大きく響いている、ということでした。

 

これだけ響く、ということは、接している近隣の戸には、間違いなく『振動』が伝わっている、と考えられます。

コンクリートは、空気の約15倍、音をよく伝えます。

先ずは、ルート△スタンドの脚と、床・コンクリートの『振動絶縁』が必要、と考えました。

 

それらの結果を基に対策を考えました。

対策として、

ルート→ガス乾燥機の底・鋼板の『振動共振』を低減させるため、『制振材』を貼る

ルート→スタンド脚の下に、『遮音制振ゴム』を敷く

という方法で、防音工事というよりも、防振工事をしました。

 

その結果、隔壁前で7.2dB低減して、73.1dBに。

和室内で、何と24.1dB低減して、30.4dBになっていました。

 

防振対策の結果として、周囲の何もない時の音、『暗騒音』にも依りますが、「気にならない」程度には、なりました。

今回のように、猛暑でエアコンがフル運転されている音環境の中では、全く気にならない、と思われます。

 

今回の場合、ガス乾燥機の周囲を囲む、というような完全な防音工事は、手間も、コストも掛かるので、他の簡単な方法で「解決」できないか?ということが、ポイントで、した。

 

もう一つ、どうしても書いておきたいことがあります。

それは、ガス乾燥機の販売者・製造者は、聞くところによると「できません」の一言で、何の対策、努力も、しようとしなかったことです。

あまりにも、無責任ではないでしょうか?

当事者意識が欠如している、としか、言い様がありません。

あまりにもヒドく、この暑さにもかかわらず、背筋がぞぉーっとしています。

最近多くなってきた、騒音問題…浴室換気乾燥暖房とディスポーザー

 やっと時間ができました。

何と、昨年の12月以来、なのですね。

今回は、長くサボり過ぎてしまったようです。

 

 書きたいことは、たくさん有ります。

有りすぎて、何から書こうか?迷った結果、最近多くなってきた、「浴室換気・乾燥・暖房機」「ディスポーザー」からの騒音、これから始めます。

 

 先ず「浴室換気・乾燥・暖房機」

最近売り出しのマンション、ほとんどにこの機械が付いています。

キャッチ・アイテムなのでしょうか。

 昨年から今年に掛けて、ご相談が多く、測定調査にうかがい、解決のための「報告書」を作成してきました。

メーカー・機種により、ピークの周波数・音量に違いがありますが、すべて、低周波音については、環境省「低周波音問題対応の手引き書」、「心身に係る苦情に関する参照値」を、大きく超えていました

南大沢グラフ
 

 このグラフは、都内マンション・自宅内の測定結果です。

立ち入り確認ができませんでしたが、発生源は上階から、と思われました。

この機械の場合は、低周波音・40Hzのピークが、参照値を超えていました

文字が小さくて、見難いかも知れませんが、廊下・洗面・室内、すべてで大きく響いていました。

ボクの感覚では、「ぜん動する」という感じで、床が唸っていました

 

 他のマンションでは、ここまで大きくはなく、周波数も違っていたりしていましたが、似たような音・振動になっていました

これは、管理組合の問題にとどまらず、売り主・設計者・施工者・メーカーの責任なのでは?とボクには、思えます。

案の定、管理会社は「個人の問題」として、拡大を抑えてしまいました

 

 結局、この方は、売却して、建て売り戸建て住宅を買われ、引っ越してしまわれました。

実は前後して2件、ご相談者が同じように売却され、引っ越しをされました。

同じように、管理会社は「個人の問題」として、取り合おうとしてくれなかったようです。

 


 これと同質の問題として、最近「ディスポーザー」の騒音問題が、多くなってきました。

実は10数年前、アメリカに憧れて、ディスポーザー付きのマンションが流行ったことがありました。

その時は音はともかく、排水管のつまり、臭いなどが大問題になり、結局東京都が下水処理ができないとして、ディスポーザーを認めない決定を出し、それ以降無くなった問題でした。

 それが最近、認められるようになったのか、高級マンションにはほとんど、ディスポーザー付きで売り出されています。

以前のものと違うのは、排水管の先に処理設備を設け、再処理しているようです

 今回の騒音問題は、この処理設備からの騒音、問題です。

これはつい最近の問題で、売り主が相手になっている場合が多いようです。

引き渡し前、もしくは後でも間が無いので、売り主が交渉相手になっているようです。

 

これも「浴室換気・乾燥・暖房機」と同様、売り主・設計者・施工者・メーカーの責任なのでは?とボクは、考えます。

 

マンションの24時間換気システム、とんでもない騒音発生装置

秋になって、いや今年は秋がほとんど無かったので、「気温が低くなって」と言い換えますが、窓を閉め、気密性が高くなると、途端に「マンションの騒音」のご相談が増えます。今まで外からの音にマスキングされていた『問題の音』が、姿を現します

毎年このシーズンは、そうです。

 

今年の特徴は、『24時間換気システム』からの騒音です。

最近のマンションは、バスルームの天井に、かなり大きめの『換気扇』が付いています。

いやこれはもう『換気扇』とは違い、24時間換気・通常の換気・暖房・乾燥ができる、『空調システム』になっています。

それは確かに、生活には便利。新しく売り出されるマンションには、「必ず」と言ってよいほど、セールス・ポイントになっているようです。

 

ここでは仮に、「マンションA」、「マンションB」、「マンションC」としておきます。

伝搬してくる「マンションA」のピーク音は、25Hzの低周波音が45dBと、400Hzの中周波音が40dB、

ちなみに何もない時の音、『暗騒音』は25Hzで35dB、400Hzで12dB。

 

伝搬してくる「マンションB」のピーク音は、31.5Hzが40dB、80Hzが35dBの低周波音、

ちなみに何もない時の音、『暗騒音』は25Hzで27dB、80Hzで22dB。

 

伝搬してくる「マンションC」のピーク音は、40Hzの低周波音が65dB

こちらは夜8時頃から測定していたのに、『暗騒音』らしきものは、採れませんでした。四六時中、その音が途切れる時がありませんでした

この65dBは、かなりの音で、凡人のボクにはとてもジッとしていられない、くらいな音でした。

しかもここにお住まいの奥様は、どうも低周波音が他人よりもよく聴える方のようで、大変なようです。

 

『音』の周波数・音量は、マンションにより、その時々により、違っていますが、これらの音は間違いなく『固体伝搬音』で、その伝搬方向は、すべて中央部、バス・ルームの近辺から、でした。

聴診器で聴いてみると、それは「ブーン」というモーター音

そして時々、音が途切れたり、伝搬方向が変わったり、隣接している戸の何処かから、いつも伝搬しているようでした

 

実際に、そのお宅の換気扇のスィッチを入れて、換気・暖房・乾燥など、音を採ってみると、間違いなくそれらの音は、

伝搬している『問題の音』の周波数と一致していました。

それでも推測の域を出ませんが、「騒音源は、24時間換気システム」ということは、間違いなさそうです。

 

では、その『騒音問題』を、どうやって解決して行こうか?

 

先ずは、『直接』交渉は、止めた方が善い、とお話ししました。

言われる立場から考えると、「オマエが犯人だ」と言われているようなもの。

好い気持ちはしません。

下手をすると、こじれて、感情的になって、ケンカ状態になり得ます。

 

ここはともかく、管理組合・管理会社に、「専門家に測定してもらった結果、こういう音が伝搬している」と、報告書とともに訴えて、解決の方向に向けてもらう、という方法が、ベストだ、とお話ししました。

 

しかしそれで、動いてくれるかどうか?

 

現在のところ、その結果ですが、マンションAとBは、有耶無耶になっています。

マンションCだけが、解決に向けて、動いてくれている、ようです。

 

でも、いずれの戸にも標準で付いている『24時間換気システム』。

何とかするとしたら、全戸に対策、ということになります。

それは、並大抵のことではありません。

 

なかなか難しい問題です。

 

でもせめて、造ったメーカー、取り付けた工事業者、売ったマンション業者、付け加えるなら、マンションの設計業者、

みんなが揃って、何とかしなければ、これからますます『24時間換気システムの騒音問題』は増加していくことでしょう

最悪の場合、エコ・キュートのように騒音問題から、大変な社会問題になって行くかも知れません。

最近のマンションで不明な音…換気扇と気圧、新しい電気器具

最近、立て続けに、「マンションで不明な音がある」というご相談がありました。

ひとつは以前にも上げた「ポコポコ音」。
これは、最近マンションの気密性能が上がって、気圧差によって、流しのワン・トラップが、気圧に引かれて、「ポコポコ音」を出していた、という例です。

もう一つは、「コトコト音」。
あるマンションの一室、天井裏で、「コトコト音」がするのです。
ところがキッチンの換気扇を付けると、その音は止んでしまうのです。
これも気圧差による音、と考えられます。
その音源を特定しようと、音がする付近の天井に、点検口を設けたところ、それ以来音がしません。
どうも、点検口にスキ間があるので、それで気圧差が解消してしまったのかも知れません。

もう一つは、「ジーという音」。
この音は、マンションの一室、リビングの天井裏の一部で、音がしているところまでは、突き止めました。
この音は、800Hzというやや高い中音で、どうも電気系統から音が出ているらしいのですが、天井裏が見えないところなので、これも点検口を設ければ、確認できるのでは、と期待しています。

もう一つは、「ブーンという音」。
これは、測定してみると、315Hzという中低音でした。
これが立て続けに、3カ所で測定されました。
二つは店舗のダクトから、もう一つは古いマンションの換気扇から、測定しており、騒音源は『換気扇』の周辺かららしいのですが、此処というところまでは、特定できておりません。
少なくとも、ファンそのものからでないことは、確かです。
考えられることは、これらはすべて、有圧換気扇で、家庭用などの小型換気扇ではないことです。
その構造の何処かからか、他の何かを共振させてなのか、すべて315Hzの音が発生しています。

ほとんどがこれからですが、その正体が分かりましたら、またご報告いたします。
 

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