“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
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低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

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株式会社ヴォイス

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保育園の子どもの声は、騒音か?

先日、首都圏内の、ある保育園で騒音調査をしてきました。

今年4月に開園したところ、近隣にお住まいのある方から「子どもの声がうるさい」というお話しがあり、

実際にどのくらいの音が出ているのか?

もしそれで、ご迷惑をお掛けしているようであれば、どういう対策をしたら良いか?

それを知るために、1週間にわたり、測定調査を行いました。

 

その保育園には、0歳から5歳児まで、40人くらいの子どもさんが、通っているとのこと。

年齢によって、動きも声も変わります。

それである程度、年齢別のクラスごとに、いろいろな行動パターンを想定し、それぞれについて、測定をしました。

今回は、「園庭でのお話し」、「お歌とダンス」、「その他の遊戯」に分け、年齢ごとの、周波数とその音量を調べてみました。

 

その結果、周波数は、喚声の時を除いて、年齢が大きくなるにつれ、低い声になることが分かりました。

その声の中心周波数は、0〜2歳児くらいまでが、1250Hzくらい。3〜5歳児では、だんだん低くなってきて、630Hzくらいまでになりました。

ちなみに、大雑把に言うと、男性の声は100〜250Hzくらい、女性の声は250〜500Hzくらいの声が、多いようです。

 

人の聴感覚は、騒音計では、騒音値・A特性(dBA)として表されます。

人の聴感覚は、2500Hzが最もよく聴え、音圧値(音エネルギー値)・F特性(dB)では、1000Hzでは-1.3dB、500Hzでは-4.5dB、250Hzでは-9.9dB、小さく聴えます。

人の聴感覚は、10dB下がると、1/2に聴えます。

同じ音圧でも、2500Hzと比べると、250Hzの音は、約半分に聴えていることになります。

つまり「子どもの高い声は、大きく聴える」ということになります。

 

音量=騒音値・A特性(dBA)の最大値は、初めてプール遊びをした、3歳児の75.8dBAでした。

ただ、この園庭は、四周をマンション・アパート・ビルに囲まれた『囲繞地』(いじょうち=法律用語)にあります。

建物の壁に反射され、『音』はエコーを起こしていました。

この『音環境』で、どういう対策が、現実として可能か?

 

そもそもその前に『子どもの声は、騒音』であるかどうか?が問題になります。

JISでは、「望ましくない音。たとえば、音声、音楽などの伝達を妨害したり、耳に苦痛、障害を与えたりする音」と、定義されています。

『耳に苦痛、障害を与えたりする音』は、完全に身体的に有害であるので、『騒音』である、と言えます。

それ以外は『望ましくない音。たとえば、音声・音楽などの伝搬を妨害』する音と、いうことになります。

今回の子どもの声は、『望ましくない音』に当たるのでしょうか?

 

『望ましくない音』というのは、その人、個々によって変わってきます。

例えば、音楽を大きな音で聴いている人にとっては、『騒音』ではありませんが、それを聴きたくもないのに聴かされる人にとっては、『騒音』になります。

今回の場合『子どもの声が騒音』であるかどうかは、人による、というのが、結論になります。

 

 

今回、『騒音』として訴えている方は少数です。大多数の方は、『騒音』として捉えていなくて、むしろ「元気をもらっている」と、おっしゃる方もみえました。

でも、その少数の方にとっては、我慢できない事情、情況などが、きっとあるのでしょう。

ご迷惑をお掛けしていることは、確かなようです

可能な限り、低減する対策を、施していかなければ、とボクは考えています。

 

対策としては、園庭がすっぽり収まるような、シェルター、ドームのようなものができれば、一番なのですが、

そんな何千万円も掛かるようなものは、不可能です。

次善の策としてボクがご提案したのは「吸音・乱反射などに依り、音エネルギーを低減させる」ことです。

具体的には、園舎の壁面に吸音板を貼ったり、常緑樹を園庭の境界沿いに植栽したり、園舎の壁面に置いたりすることです。

 

ボクの本業は、建築設計で、これまでいくつか、防音の目的で、吸音板を貼ったり、植栽をしたことがあります。

それなりに、効果はありました。

何とか『解決』して欲しい、と願っています。

音、全般 | 08:34 | - | - | - | - |
サッカーの声援、サポーターの情熱を測定する !!…騒音?測定

4月16日(土)、ひょんなことから、味の素スタジアム、FC東京 vs 川崎フロンターレの試合で、「騒音?測定調査」をしてきました
ほとんど本屋さんには置いていない、硬派のサッカー専門雑誌、『フットボール批評』の編集者からのご依頼でした。

そのテーマは「サポーターの情熱を数値化する !!」というもので、サポーターの声援が、音量、何デシベル(dB)になるか?
という測定の仕事でした。

音の世界では、これに該当する用語はありません。
最も近いのが、『騒音測定』という用語になってしまいます。
「騒音」ではないだろう!と怒られてしまいますが、正式にはそれしかありません。
ここでは仮に『情熱測定』と呼ぶことにします。

試合開始の2時間前、編集者の方とゲート前で待ち合わせ、あこがれだった「関係者専用通路」から、入りました。
ホームのFC東京の方にご挨拶、「楽しみにしています」とお声を掛けていただき、「へぇー、そんなに期待されてんだぁ」と、逆にプレッシャーを頂戴してしまったり、記者控室では、この世界の住人らしい、ネームプレートを首から提げた人たちが、ワイワイ右往左往行き交う中、川崎フロンターレ担当の方をご紹介されたり、みんながみんな、ワクワクしながら、これ以上ないくらい楽しんでいる、そんな空間にはまり、その空気を吸っていました。

で、早速、ボクは、もらった赤いビブスを着て、ピッチへ。
サッカーでは、グラウンドとは呼ばず、ピッチと呼ばれているようで、厳密にピッチとは、ゲームをする白線の中を言うらしい、ということが、少しずつ分かってきました。

赤いビブスは、テレビ・クルー用らしく、FC東京・ホーム側ゴール裏付近の取材エリア、他の人のジャマにならないよう、端っこに、100円ショップで買ってきた、折りたたみイスに座り、待機しました。

ボクは、サッカーは野球より好きで、黄金時代のジュビロ、名波さんのファンで、何回かジュビロスタジアムに通ったり、名古屋の瑞穂競技場、豊田スタジアムにも、行ったこともあります。
現在は、フロンターレ、憲剛さんのファンで、麻生の練習場が近いので、たまに練習を見に行ったりしています。

でもこれまで、サッカー場でボクがいた場所は、スタンドの中、ピッチに下りたことは、一度もありません。
座ってみて、先ず感じたのは「音がボクに向かってくる」という感じ。
スタンドの屋根の角度、スタンド・観客席の勾配、選手に聴えるように、音響設計されているのでは?と思うくらい、大きく、よく聴えます。後から調べたら、やはりサッカー・スタジアムの音響の対象は、ピッチの中にいる選手たち。

彼らに向けられるよう、設計されている、ということが分かりました。それは、野球と違うようです。

早速測定してみました。
試合前の音楽がない、お客さんが期待イッパイで、三々五々席に着き始める、ザワザワした時が、騒音値AP(A)で65dB(A)、
最も静かだった時は、ゲーム前、熊本地震の被害に遭われた人に黙祷時で、57dB(A)でした。

最も大きかったのは、やはりゴール時。
前半4分、ネイサン・バーンズのゴール時、と後半11分、前田遼一のゴール時。
ともに、106.9dB(A)。
バーンズの時は、ホームの反対側、前田の時は、こちら側、全く同じ音量でした。

サポーターは、エライもんです。
近くだろうと、遠くだろうと、全く同じ音量を出せるのです
これは、「奇跡に近い」とボクには思えます。
ボクの使っている騒音計は、6/1000 dBまで測定できます。
そんなピッタリに、数値を合わせることは、不可能です。
サポーターは、エライもんです。

もうひとつビックリし、感動したのは、前田遼一のゴールした時です。
ボクは音を採るのに夢中で、「最大値、最大値」と念じながら、騒音計を見つめていたその時、その騒音計のわずか5兩茲髻∩暗栂飽豼手の太ももが、横切ったのです。
彼はサポーターに向かって、両手を突き上げて、鼓舞していました。
彼の太ももは、大きかった!

その時の106.9dB(A)、地響きのよう、ボクの身体が揺れるのを、感じました。
フットボール批評 71
逆に、前半11分、フロンターレ・大久保のゴール時は、97.9dB(A)、
約10dB(A)も小さかったです。やはり味方のゴールに勝るものは、
無いようです。
ただここで面白いのは、男性の低い声、と思われる200Hzの音は、
バーンズのゴール時は、89.1dB(A)、大久保の時は、91.9dB(A)、
「おおーっ」というため息?の方が、勝っていたようです。

人はため息をつく時、大きな低い声を発するようです。

もうひとつ、音の成分を見ると、ゴール時は、500Hz〜2KHz、
そう女性と子どもの声と思われる、中・高音域が大きくなっているのです。
それもピークは、800Hz。
普段よりも、1オクターブ高い声が、主成分となっているようです。
人は興奮すると、1オクターブ高い声を発するようです

結局、考えてみると、80%は騒音計を見つめていて、残りの20%くらいしか、
ゲームを見ていられませんでしたが、本当に感動し、楽しい仕事でした。

 

普段は、騒音に困っている測定調査がほとんど、まぁそれは当然なのですが、
「こういう楽しい仕事、佳いなぁ」と、つくづく感じました。
編集者に「もし次があるようでしたら、お願いします」と、言っていました。

右に、送っていただいた『フットボール批評』11号の表紙写真を、付けておきます。
ほとんどネットでしか買えませんが、興味のある方は、どうぞ。

音、全般 | 09:47 | - | - | - | - |
騒音問題、本当は言いたいこと

またまた、ご無沙汰してしまいました。
測定、調査など、仕事が忙しく、追われていました。
が、ここへ来て、ブログに書きたいことが、少なくなって来たことに、気が付きました。
相変わらず、マンションの上下階の問題、低周波問題、がほとんどなのですが、ボクにとって、目新しいこと、感動することが少なくなって来たことが、原因のように、感じています。
一言で言うと、マンネリ化なのかも知れません。

これは、とても危険なことで、集中せずに、惰性で仕事をしてしまうかも知れない、可能性があります。
意識としては、1件、1件、何か聴き落とすものはないか、見逃すものはないか、100%集中して測定、調査を心がけています。
でもそれは、反省してみて、いい加減になってしまった測定・調査は、これまで1件もなかった、と思います。
では、何故ブログに書くことが、少なくなって来たのか?

考えてみて、それは『公表』できるかどうか?に掛かっているのでは?と思います。
大ざっぱに言って、ここに書けるものは、全体の60%くらいかな、と思います。
残る40%は、ご相談者に迷惑が掛かりそうとか、いくら非道くても相手の会社名は出せないとか、第三者の迷惑になりそうなものも控えています。
実は、そのほとんどが、皆さんが驚き、ビックリするような話しばかりなのです。
ほんと、のど元までこみ上げていますが、とてもそれは書けません。
『本当は言いたいこと』、それは、絶対に書けないのです。

建築設計の傍ら、『音』の世界に関わって、そろそろ20年になるでしょうか。
そろそろ、世に公表しても善さそうなものが、いくつか出てきました。
それらも、そろそろ書いていこうかな、と考えています。

音、全般 | 10:15 | - | - | - | - |

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