“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
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自然・建築・防音
騒音調査・防音対策の お問合せ

低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

神奈川県 川崎市麻生区
下麻生1-6-22-705
株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745

六番町店 ダ・ヴィンチ店
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マンションの騒音・GL壁
またまた、マンションの騒音・GL壁の話しです。
都内のマンションで、「上階からの音楽がうるさい」何とかしたいが、どうしたらよい?というご相談がありました。

早速、うかがって、測定調査をしてみました。
足音、引き戸の戸当たり音などもかなり大きく聴えましたが、それよりも大きく聴えるのが、音楽の音でした。

これは上階の方にお願いして、原因を突き止めなければ、解決できない、と判断して、管理組合、賃貸仲介業者さんを通じて、何とか調査にうかがうことができました。
足音、引き戸の戸当たり音は、ご注意願うとして、問題の音楽音が大きく聴える理由が分かりました。

それは、スピーカーが窓際の壁にピッタリとくっついていて、そのGL壁から音が入り、下階の壁・梁・天井から、共振共鳴が起き、響いている、という伝搬経路が判明いたしました。

上階の方に、スピーカーを壁から離すこと、スピーカーの下に、絶縁ゴムを敷くことなどを、アドバイスをして、ほとんど聴えないレベルになりました。
ほんの些細なことですが、GL壁は要注意です。
いったんコンクリートに入ってしまうと、その伝搬音が、下階・隣戸のGL壁(タイコ)で共振共鳴を起こし、ある周波数は増幅したりします。

案外何気なく、置いているテレビ、オーディオ・スピーカーなどが、壁に接していると、とんでもないことになります。
マンションにお住まいの皆さん、気を付けてください。
一度、置いてある場所を、見直してみてください。
 
マンションの騒音…お隣のテレビの音がうるさい
昨年末、都内のマンションにお住まいの方から、「お隣のテレビの音がうるさくて、寝られない」というご相談がありました。 測定調査に行ってみると、本当によく聴えます。 特に音楽の低い音、女性の高い声、何を言っているか、聴き分けられるほどでした。 壁を叩いてみると、中が空洞、GL工法でした。 「それにしても、聴え過ぎるなぁ」 測定してみると、暗騒音が26dBのところが、54dBもの音が出ていました。 防音工事をして、暗騒音以下にするには、約30dB落とさなければなりません。 周波数ごとの調査もしましたが、主に中・高音域が悪く、その音域を落とさなければなりません。 「何か原因があるはずだ」 管理事務所に行き、竣工図を見せてもらいました。 原因が分かりました。 なんと、お隣との壁、界壁の厚さが120ミリしかないのです。 建築基準法には、界壁の厚さが120ミリではいけない、とは書いてありません。 しかし、遮音性能については規定があり、 125Hz…25dB 500Hz…40dB 2,000Hz…50dB 以上でなければいけない、とされています。 お隣に行って、測定はできませんので、実際の遮音性能は分かりませんが、テレビの音を、そんなに大きくしているはずはなさそうなので、反対側で50dB以上の音が出ているということは、基の音が 125Hz…40dB+25= 65dB 500Hz…40dB+40= 80dB 2,000Hz…55dB+50=105dB ということなります。 125Hzは別にして、そんなに大きな音で、テレビを見ている可能性は低いです。 比較的楽な中高音対策だったのですが、お引っ越し直後で、予算が取れない、ということで、かなり安価な防音工事プランを提示しましたが、何の連絡もありません。 その後、どうされているのか…
マンション、下階の音がうるさい
 マンション騒音で、『下階からの音がうるさい』という、珍しいご相談がありました。
早速、下階の方のご了解を得て、実際にいろいろな音を出し、測定調査をすることになりました。

スピーカーによる『空気伝搬音』の性能は、建築学会・性能基準において、D-65近く、集合住宅では特級という、とてもすぐれた遮音性能でした。
ところが、下階の足音、下階で、木箱を叩く音などが、上階で異常によく響いているのです。
学会基準で言うと、『級外』でした。

聴診器で、その音の伝わり方を調べてみると、下階の床に伝わった音は、二重床のため、タイコ現象で増幅し、その音がコンクリート・スラブに伝わっていました。もう一方、その音は、二重壁の空間から、やはりコンクリートに伝わり、ともに建物中に伝搬していました。

それは、2・3軒となり、2・3階上下階でも、よく聴こえました。
コンクリートは、空気の約15倍、音を伝えやすいからです。

これは、コンクリートはしっかり厚く打設していても、その上に床・壁を二重にすると、かえって音がよく伝わったり、大きくなったりするという、典型的な例でした。

よく、マンションの販売パンフレットに、『二重床、二重壁、二重天井だから防音』というようなコピーに出会いますが、これは『固体伝搬音』に関しては、まったく逆で、かえって音を大きくしてしまう、ということもあります。

しっかり出来たマンションだったため、それがハッキリ分かりました。
よい勉強になりました。
マンションの防音(4)またまたGL壁
 もっとヒドイ、GL壁のことを思い出しました。
それは、横浜の高級マンションでしたが、
すべてのコンクリート壁、外壁・界壁が、
写真のようなGL壁で出来ていました。

上階からの足音・跳ぶ音はもちろんですが、
どこからとも知れない話し声、引戸の音、
サッシの開閉音、ベランダの音などが、
聴こえてくるのです。

周囲は静かな住宅地、サッシは二重で、窓からの伝搬は
考えにくいところです。
暗騒音(何もない時の音) は、グラフのように非常に静か。
いったい、何処から聴こえてくるのでしょう?

中でも、壁からが大きいのです。
先ず、疑わしいのは、GL壁です。
学会の報告によると、『250Hzで遮音性が低下する』と言われています。



グラフの測定時、人の声などが聴こえていました。それも、話の内容が分かるくらい。

ところが、ここでは、1000Hzのところがピークで、低下しています。
考えられるのは、プラスター・ボードのコインシデンスによる低下が、丁度その音域なのです。硬い板状なものには必ず起こる、固有振動数付近での共振透過と考えられています。

つまり、この二つが重なって、とてつもない騒音となっていたのです。
普段、周囲が静かな分、数値が少なくても、かなりうるさく聴こえます。

GL壁とプラスター・ボードのコインシデンス、これがマンション騒音の盲点、欠陥となっています。
マンションの防音(3)GL壁は恐い
前回の北区のマンション、不思議なことが起きていました。

リビングでは何も聴こえないのに、キッチンに来ると、カタッ・コトッ音や女の子の声が聴こえてくるのです。
それも大きな声の時には、何を言っているのか分かるのです。
お住まいの方は、お隣だろうと思い、訪ねたところ、女の子はいないとのこと。
隣接している上階・下階もお訪ねしたところ、音源は斜め上階から、ということが分かりました。

リビングのお隣との界壁は、コンクリート直貼り、何故かキッチンだけが、空間があるGLボンドの壁なのです。接耳してみると、聴こえるは、聴こえるは、話の内容まで聴こえます。

GL壁がよく音を透過する、という問題は、もう20年くらい前から言われてきました。
空気層がバネになり、丁度太鼓のような現象が起こり、250Hzあたりの音がよく聴こえてくるのです。そう、丁度女の子の声がそれに当たります。

多分、住んでいる人も、まさかこれくらいの大きさの声が、マル聴こえになっている、などとは考えてみえなかったことでしょう。
でも『マル聴こえ』なのです。

対策は、空気層のバネを無くしてやれば解決します。
かつ、音(振動)の伝導体、コンクリートを絶縁してやれば、ほとんど聴こえなくなります。
GLボンド(セメント系)は良導体です。
まだ木の方が伝え難いので、木で下地を組み、中に吸音ウールを入れてやれば、完璧です。

受音の側も災難ですが、まさか漏れているとは分からない音源側も、被害者です。
むしろコストの点から、使い続けているマンション業者の方がが問題です。
同じGL壁でも、良心的な業者は、一層のプラスター・ボードの代わりに、複層のボードを使って、低減したりしています。
方法はあるのです。
住む人に対する、思い遣りが足りないだけです。

もし、このような現象があった場合、GL壁からでは?、と疑ってみることが必要かも知れません。

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