“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
自然・建築・防音
騒音調査・防音対策の お問合せ

低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

神奈川県 川崎市麻生区
下麻生1-6-22-705
株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745

六番町店 ダ・ヴィンチ店
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
マンション屋上の電話アンテナが、騒音源

もう半年くらい前になりますが、マンション最上階にお住まいの方から、「低音が響いて、寝られない」というご相談がありました。

なかなか調査にうかがうことができなくて、メールのやりとりで、しばらくは「音源」探しをしたことがあります

 

先ず、お住まいのマンション内の可能性が高い、と思われたので、エアコン、給水ポンプ、エレベーター、換気扇など、考えられるマンション内の音源を、一つ一つ確認していただきました。しかし、どれも当てはまりません。

 

敷地外の「音源」も、半径100m以内を歩いて、それらしき「音源」を探していただきました。

すると1つだけ、約50m離れた道路脇にある、柱上トランスが唸っていました。写真を送っていただいて、それはコイルを巻いた古いタイプのトランスでした。

古いトランスからの「低周波騒音」は、これまでも数例ありました。

それは早速、東京電力に電話していただいて、新しいトランスに取り替えてもらい、直ぐに止まりました。

が、マンション内の「低周波騒音」は、止まりません。

 

やっと、日程の調整ができ、うかがって調べてみました。

最も大きく聴える室内で、四周の壁、天井・床を、騒音計で調べて回りました。

その結果、「問題の音」は、25・50ヘルツと倍音の100ヘルツの低い音が主成分の音であることが分かりました。

そしてその音は、界壁側の上が、最も大きな音になっていることが分かりました。

最上階のお宅なので、その上は、屋上しかありません。

管理人室にある竣工図を見せていただいても、その上には、何もありません。

 

しかし、管理人室の前にある掲示板に、携帯電話会社の中継アンテナの点検・工事の案内が貼ってありました。「んんん、これは」と思い、後日調べていただいたところ、ほぼその真上付近に、某携帯電話会社の中継アンテナがあることが分かりました。

騒音源は、そのアンテナで、蓄電池のファンだけでなく、ブースターが付いていて、その音・振動でした。

それを移設してもらって、解決しました。

「シャー」という音…給水管からの音

先日、またまた「珍しい騒音」に出会いました。

その音は、「シャー」という、正にエアーとか水が漏れているような音でした。

 

マンション1階の外廊下では、何か聴えるな、くらいな音が、その室内では、かなりな音になっていました。

そのマンションは外廊下が北側にあり、それに面して、羊羹を切ったような形で、各戸が設けてある、という配置でした。

 

「シャー」という音は、測定してみると、1250Hz・1600Hzという高音にピークがある音でした。

その「問題の音」、「シャー」という音をたどって、音源を探索してみました。

 

その戸内では、南窓側が小さい音で、明らかに北窓側が大きな音になっていました。

そのその外廊下に面している、北側の窓・壁を入念に測定してみました。

その結果、壁面の東側、それも床近くが、最も大きな音になっていることが分かりました。

 

その1250・1600Hzをピークに持つ音が、大きい方に、音源はあります

 

戸外の外廊下に出ると、自動車などの音に「マスキング」され、「問題の音」はあまり大きく聴えません。

でも測定してみると、戸内よりも大きな音になっています。

その周辺に音源はある、ということが、明らかになりました。

 

「シャー」という音は、エアーか水か?

マンションなので、エアー・コンプレッサーはありません。

ガスが漏れていれば、大変なことになります。

しかし、臭いはありません。

残るは、水しかなさそうです

 

建物の図面を見ると、その外廊下の下に、40个竜訖經匹通っていることになっています。

先ずはそれが怪しい、ということで、地上に出ている、周辺の戸のメーター・ボックス内にある、管・メーターを測定してみました。

「問題の音」は、その戸が最も大きくなっています。

 

そこで今度は、外廊下の床面の音をたどってみました

その結果、その戸の玄関ドア脇が最も大きくなっています。

そう、その場所は、戸内の北壁・東・床の、ちょうど真裏に当たります

 

今度はその位置から直角、北方向を測定してみました。

すると、外廊下のフェス側の床が、最も大きな音になっています。

そのフェンスの外側は、いきなり小さくなっていました。

 

「音源」は、その近くのコンクリート下にある、40个竜訖經匹ら、と考えられます。

その管は、市の所有なので、勝手に処置できません。

それ以上は、追跡できないので、そこまでで調査は止めました。

その後、お礼のメールが届きましたので、うまく処理できたのでは、と思われます。

 

給水管の「ウィーン」という共振音

昨年末、あるマンションで、珍しい「音」に出会いました。

「問題の音」を訴えてみえる方の室内にうかがい、「問題の音」を採ることができました。

その「問題の音」は、「ウィーン」と唸る、400Hz・800Hz・2500Hzをピークに持つ『複合音』でした。

ウィーンという音グラフ

 

その音は、常時聴える訳ではなく、断続的に起こり、しばらく続く連続音で、規則性はありません。

この「ウィーン」という音は、以前何処かで聴いたことがある、と感じ、一所懸命これまでの記憶をたどってみました。

その音は「給水管の共振」であることを、想い出しました。

 

音をたどって、外の廊下に出てみました。

しばらくすると、外廊下でもよく聴え、その音が最も大きい戸の前にたどり着きました。

 

どうも、メーターボックスの中から、音が出ているようです。

管理会社の方がみえたので、その戸のインターフォンを押してもらいました。

幸いご在宅で、事情をご説明して、中に入れていただきました。

 

そして、「問題の音」がする、メーターボックスに近い、洗面の水栓を開いていただきました。

すると室内では、かすかに「ウィーン」と聴える音が、外のメーターボックスからは、大きな音になって、響いていました。

その音源は、どうもメーター直後の給水弁の辺りから、発生していることが分かりました。

 

給水管が振動しています

水栓の開き具合によって、給水弁近くの管が『共振』を起こし、発生していることが、分かりました。

原因が分かれば、対策は簡単。

給水弁の開きを大きくしてもらったら、「問題の音」は止みました

 

今は少なくなりましたが、給水管で最も多い「音」は、「ウォーター・ハンマー現象」です。

通気がうまく行かず、開栓すると、管の中の水が「ガン」という衝撃音を発生させる、という現象です。

通気管が設備してあれば、ほとんど起きない現象です。

 

この「ウィーン」という音は、結構珍しい、そう、かつて都営住宅で1件あったくらいの、珍しい現象でした。

事前の緩衝マット…下階に迷惑を掛けたくない

以前ブログにも書いた、新築マンションをご購入後、下階に迷惑を掛けたくない、というお気持ちから、子どもさんが走り回るだろう廊下・室内の床に、『緩衝マット9』を敷き詰められた方から、ご依頼があって、先月、新たに別の室の床に、緩衝マットを敷くお手伝いをしてきました。

 

前回は、マットの厚さ分床が上がるので、建具の高さ調整が必要だったので、職人さんに頼みましたが、今回は、開きドアの部分だけ緩衝材を減らして、ご依頼の方と一緒に、施工しました。

DIYです

 

今回使用したマットは、新しく開発した『緩衝マット11』です。

前回の『緩衝マット9』は、およそ体重が20キロくらいまでの「お子さんが、走り回る衝撃」を吸収する性能でしたが、今回開発した『緩衝マット11』は、およそ体重70キロくらいまでの、「大人のカカト歩き衝撃」くらいまでは、吸収できています。未だ正式に大阪の試験所で、測定していませんが、鉄骨造の2階会議室に敷いて、1階の事務室で、全く聴えないレベルの性能でした。もちろん土足です。

 

今回は、子どもさんが大きくなり、専用の子ども室を用意することになり、その子ども室の床に『緩衝マット11』を敷き詰める工事でした。

結果は、未だお聞きしていませんが、前回の『マット9』は、下階の方からは「全然聴えない」というお話しでした。

今回の方が強力なので、もっと聴えないのでは?と推測しています。

 

マンションは『共同住宅』です。

いろいろな、たくさんの人が一緒に暮らしている建物です。

他人に迷惑を掛けないことは、最低限、必要なことと思います。

しかし、おカネが掛かります。

なかなか事前に、予防としてできることではありません。

 

このご相談者に、ボクは敬意を表しています。

超低周波騒音、実はトンネル工事だった?

 以前、ボクには聴えない、20Hz、超低周波音のもどかしさを、書いたことがありました。

先日、その方からメールがあり、「今では、不思議なくらい、何ともない」というお話しがありました。

 今から4年前になります。

メールをやりとりしている内、たまたま地盤からの伝搬のお話を書いたところ、「ひょっとしたら、あの時、トンネル工事があった」

というお話しになりました。

 調べてみると、その周辺は岩が多く、「そこでトンネル工事をしていれば、当然大きな音・振動となって、伝わって来ます」という話しになりました。

 ちょうどその当時、高速道路の建設で、トンネルを造る工事を、近くでしていたそうです。

4年前は、海からの音では?と推測していたのですが、今になって「謎だった音源が、見えた」と、うれしくなりました。

 その方も、「そうかも知れない」とお話しされながら、正直なところ、ホッとされたのではないでしょうか

 

 想うのは、「音って、本当に奥が深い、まだまだだなぁ」ということ。

建築の方も、奥が深い仕事ですが、クライアント次第で、条件で、できることが、しぼられてきます。

 「音」は造る仕事はともかく、調べる仕事であれば、もうすでに在る訳で、探れば探るほど、何かが見えてくることがあります。

「やってて、好かったなぁ」と想いを、しみじみと感じました。

低周波騒音 | 11:26 | - | - | - | - |

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.