“音”の世界から、建築・暮らしを考える

“音”に関わりながら、騒音問題、ピアノ室・音楽室の設計、自然材料に由来する新しい音の材料を開発、音システムの開発など、気が付いたことを記していきます。
<< November 2016 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
自然・建築・防音
騒音調査・防音対策の お問合せ

低周波騒音と調査
*マンションなどの住宅、工場・ビルなどの騒音対策の基本は、音源の分析と音測定です。その結果を踏まえて、防音対策を検討します。

神奈川県 川崎市麻生区
下麻生1-6-22-705
株式会社ヴォイス

代表:西村文利(一級建築士)
FAX 044-988-4745

六番町店 ダ・ヴィンチ店
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
また、低周波騒音の季節がやってきました…『音難民』の季節

そう、この季節、低周波騒音に悩む方からのご相談が急増しています。
それは、窓を閉め切り、エアコンを付けない、この季節だから、という特徴です。

 

中・高音は、ガラスでほとんどが止まりますが、低周波音は、透過してきます。
壁もそうです。
コンクリートであれば、止められますが、薄い・軽い壁では止まりません。
その上、低周波音は『回折』という回り込みをします。
そういう音を止めるのは、大変なことです。

 

「音が聴える」ことと、「音が気になる」ということの違い、重大です。
聴えていても、気にならない人にとっては、『騒音』になりませんが、
聴えて、気になる人にとっては、たまらない『騒音』になります
それはすなわち、『知覚異常』ということになります。

 

人の受音感覚は、人それぞれです。
『骨伝導』なので、その骨・頭蓋が共振を起こす人も、周波数によって、起こり得ます。
というより、すべてのものには『固有振動数』という、共振する周波数が、必ずあります。
その周波数は、どの音か?
それは大凡、叩いてみれば、分かります。
叩いて出る音が、その音になります。
でも、身体の中、叩いてみることは出来ません。

 

今のところ、それを明らかにする研究は、皆無です。
みんなが、「音なんて大したこと、無い」と考えているのか、問題化するのを恐れているのか、それとも「金儲けにならない」と考えているからでしょうか?
それで『音難民』が、スゴイ勢いで、増加しています

 

音難民に、シェルターはないのか?
保護施設はないのか?

非常に大きい、難しい壁にぶち当たっています。
どうして進んで行こうか?
いつも考えています。


でも、ボクの出来る範囲内で、何とか最良の選択をしよう、としています。

低周波騒音 | 09:38 | - | - | - | - |
ライブ・ハウスの騒音…上階に伝搬音

最近、ライブ・ハウスからの騒音で、お困りになっている、というご相談があり、「これまでも、いくつかあったなぁ」と想い出しました。

 

1つは、渋谷のライブハウス、ビルの地階にあったのですが、上階の住宅に、かなりの音が伝搬している、という苦情があり、対策をするために、調査にうかがいました。

 伝搬ルートは、2つ有り、1つは給・排水管のパイプ・シャフトからの『空気伝搬』、

もう1つはスピーカーからコンクリートに『固体伝搬』でした。

 しかし残念ながら、苦情を訴えている住宅には、立ち入り調査ができず、その手前のパイプ・シャフト点検口、階段室の壁・柱で測定調査をするしか、方法がありませんでした。

 対策案としては、パイプ・シャフト内に隔壁床を設けて、『空気伝搬音』を遮断する、という方法がベストでしたが、ビルのオーナーか拒否。

 精々パイプシャフト内を、高密度のロック・ウールをギュウギュウ詰めにすることだけでした。

コンクリートの壁・床・柱の『固体伝搬音』は、ベストは音源近く、コンクリートに固定している金具に、振動が伝わらないようにすることでしたが、何故か採用されませんでした。コストの点からなのか、音響業者の言い分からなのか、結局、店舗のオーナーが拒否。

 「振動がコンクリートに入る前で、絶縁する」という原則の対策は、できませんでした。仕方なく、スピーカーの周囲をウールで包んだり、壁に『遮音制振ゴム』を貼り付けたりしましたが、コンクリートに入ってしまっている『振動』が、消える訳はなく、ほとんど効果はありませんでした。

 コンクリートは空気の約15倍、音をよく伝えます。いったん入ってしまうと、10階以上まで、届いてしまいます。

当然、解決にはならず、お金を払わない、などの嫌がらせを受けたりし、結局その店舗は、閉店しました。

 

もう1つは、郊外の駅近くにあるライブ・ハウスの騒音でした。

 幸いその建物は、商業店舗ばかりのビルで、地階のライブ・ハウスの営業時間には、締まっていました。その苦情は、ビル内からではなく、近隣の住宅からの苦情でした。

 これは明らかな『空気伝搬音』で、壁、窓、換気扇などの開口から音が伝搬していることを、調査により明らかにしました。

壁に『遮音制振ゴム』で、遮音と振動吸収。排煙に係わる窓は、ガラス面に『遮音制振ゴム』貼り、スキ間を無くすこととで、遮音と振動吸収。換気扇などの開口は、特注の『消音ダクト』を設け、気道は確保した上で、極力吸音=消音させました。

結果、苦情はなくなったようです。

 

音源と伝搬経路を調査すれば、確実に防音はできます

それも、ピン・ポイントで無駄なく、対策ができます。

それを如何にご理解いただけるか?

それが一番の問題です。

店舗・ホテルの騒音 | 12:44 | - | - | - | - |
マンション騒音…1階店舗からのとんでもない、複合低周波騒音(その2)

以前書いた、「1階店舗からのとんでもない、複合低周波騒音(その1)」の続き。

 

結局、その2階の室は、住めず、貸せず、空室のまま、裁判・訴訟、ということになりました

民法上の「受忍限度を超えている」というところで、住めず、貸せない室の、損害金額プラス慰謝料という、訴訟です。

1階の店舗は、全国的に有名な、飲食店舗。かつてブラック企業として、ネットでも騒がれた店舗です。

 

そこを貸している不動産屋さんを間に立て、1階店舗の中を測定することができました。

その結果、天井に吊っている排気ダクトの吸・排気口の音と、2階の室内・リビングの受音の波形、成分が一致しました

下のグラフのようです。

大久保騒音比較グラフ

明らかに、40Hz、1オクターブ高い80Hz、それに小型モーターからと思われる、315Hzの音が伝搬しています。

特に315Hzの音は、『固体伝搬』の媒体、鋼製ボルト、コンクリートなどの固有振動数が近いのか、『共振透過』に近い音エネルギー量になっています

 

実際にこの音が、2階の室内で、一番大きく聴えていました。

これは、低周波音ではありません。

男性のやや高い声くらいの周波数の音、「ブーン」という音です。

これが60dBを超える、大きな音で、とても室内に居られないレベルの『騒音』です

 


実は、訴訟になる前は、調停申請を出されたようです。

しかし、相手の会社からは、誰も出て来ず、調停すらなされず、訴訟ということになったようです。

それ以前に、「問題の音は、下階から伝搬している」と結論づけた、ボクの報告書を受け取っているのに、対策はおろか、何の返答も、帰ってこない、という情況でした。

 

これまでボクは、数多くの騒音問題に掛かる裁判に、関わってきましたが、これほどヒドイ対応は、初めてです。

普通であれば、店舗を運営している会社は、社会的に悪い評判が立たないように、必ず対応します。

この会社は、対応すらしない、とても常識では考えられない会社、でした。

 

その後、訴訟がどうなっているのか、未だ分かりません。

何の知らせも無いところを見ると、どうも、うまく進んでいない、と思われます。

 

「対策ができない訳ではなく、その気がない」という考えられない会社、人たちのようです。

この厚い壁に、怒りを通り越して、何にもできない無力さ、悲しさに埋もれています。

何とか、できないものでしょうか?

マリンバの音、音楽室

先月、久しぶりにマリンバの音を聴きました。

 

ボクは以前、愛知の方で“竹音器's”という、竹・雑木で作った楽器を使って、バンドをやっていました。

今もそうですが、里山は竹の侵食によって、自然更新ができなくなり、絶滅寸前のところが、かなりあります。

そこで里山の手入れをする活動をしていました。

手入れで出てくる竹を使って、竹カゴなどの生活の利器、竹炭、竹とんぼなどの遊具などを、作ってきましたが、どれもその場だけ、になっていました。

もっと、永続的に楽しめるものは、ないかなぁ?と考えている時に出会ったのが、柴田旺山先生率いる、バンブー・シンフォニアでした。

「これだっ!」と思い、直ぐにご指導をお願いいたしました。

かなり強引で、かつボク等はボランティアで、オカネがありません。

今から思うと、とっても図々しく、恥知らずなことだった、と反省していますが、その時、旺山先生は「いいよ」と、ご気軽に承諾してくださいました。

それから月一回、名古屋市内の練習場で、楽器作りから、ご指導いただきました。

本当に身勝手で、交通費にもならないくらいの薄謝にも関わらず、熱意を持って、本気で教えてくださいました。

今から思うと、感謝、感謝。

顔から火が出るくらい、恥知らずなことでした。

 

メンバーは、会社員・公務員・自営・学生・主婦など、15歳くらいから70歳くらいまでの名古屋近辺に暮らす人たち。

音楽をやっている人もいれば、音楽は初めて、という人も。

そんなメンバーを、先生は丁寧に、親切に、本当に手を取って、教えてくださいました。

そんな練習の甲斐?もあって、帯広、全国雑木林会議で、デビュー。

名古屋を中心に、ライブ、テレビ・ラジオの取材など、数えてみると、5年間の内で約30回くらい、演奏しました。

 

その中で、旺山先生率いるバンブー・シンフォニアと、恥ずかし気も無く、共演させていただきました。

その時、プロのマリンバ奏者、何故か美女ばかりだったのですが、その時のマリンバの音の素晴らしさ、そして音が想いの他、大きかったこと、よく憶えています。

 

ちなみにボクは、竹笛を吹いていました。

ボクの音楽経験は、小学校から大学の初めまで、ブラス・バンド、その後少しジャズ・バンドをやっていました。

 

話しは長くなってしまいましたが、測定調査は、プロのマリンバ奏者のマリンバ室でした。

残念ながら、設計からではなく、完成後の測定調査でした。

 

戸建てで、「外に音が、漏れている」ということでした。

測定調査をしてみて、直ぐに「音の道」が分かりました。

 

一つは『空気伝搬音』特殊な換気システムが原因でした。

音響・防音をやっている人には考えられない、換気・通気のための、通気口・吸気口・排気口が、室内のいたる所に、存在していました。それが『音の道』でした。

 

もう一つは『固体伝搬音』マリンバの脚から、床フローリング、床下空間で『空気バネによる、共振共鳴』現象を起こしていました。これがもう一つの『音の道』でした。

 

対策としては、そんなに難しいことではなく、

ゞ気の通り道をふさぐ

▲泪螢鵐个竜咾硫爾法◆愆望弸燹戮鯢澆

ということで、屋外への音漏れは、ほとんど屋外の『暗騒音』以下になる、と考えられました。

 

教訓として、ものに依っては、「マリンバの音は、ピアノよりも大きい」ということを、あらためて感じました。

ピアノ・音楽防音室 | 09:38 | - | - | - | - |
保育園の子どもの声は、騒音か?

先日、首都圏内の、ある保育園で騒音調査をしてきました。

今年4月に開園したところ、近隣にお住まいのある方から「子どもの声がうるさい」というお話しがあり、

実際にどのくらいの音が出ているのか?

もしそれで、ご迷惑をお掛けしているようであれば、どういう対策をしたら良いか?

それを知るために、1週間にわたり、測定調査を行いました。

 

その保育園には、0歳から5歳児まで、40人くらいの子どもさんが、通っているとのこと。

年齢によって、動きも声も変わります。

それである程度、年齢別のクラスごとに、いろいろな行動パターンを想定し、それぞれについて、測定をしました。

今回は、「園庭でのお話し」、「お歌とダンス」、「その他の遊戯」に分け、年齢ごとの、周波数とその音量を調べてみました。

 

その結果、周波数は、喚声の時を除いて、年齢が大きくなるにつれ、低い声になることが分かりました。

その声の中心周波数は、0〜2歳児くらいまでが、1250Hzくらい。3〜5歳児では、だんだん低くなってきて、630Hzくらいまでになりました。

ちなみに、大雑把に言うと、男性の声は100〜250Hzくらい、女性の声は250〜500Hzくらいの声が、多いようです。

 

人の聴感覚は、騒音計では、騒音値・A特性(dBA)として表されます。

人の聴感覚は、2500Hzが最もよく聴え、音圧値(音エネルギー値)・F特性(dB)では、1000Hzでは-1.3dB、500Hzでは-4.5dB、250Hzでは-9.9dB、小さく聴えます。

人の聴感覚は、10dB下がると、1/2に聴えます。

同じ音圧でも、2500Hzと比べると、250Hzの音は、約半分に聴えていることになります。

つまり「子どもの高い声は、大きく聴える」ということになります。

 

音量=騒音値・A特性(dBA)の最大値は、初めてプール遊びをした、3歳児の75.8dBAでした。

ただ、この園庭は、四周をマンション・アパート・ビルに囲まれた『囲繞地』(いじょうち=法律用語)にあります。

建物の壁に反射され、『音』はエコーを起こしていました。

この『音環境』で、どういう対策が、現実として可能か?

 

そもそもその前に『子どもの声は、騒音』であるかどうか?が問題になります。

JISでは、「望ましくない音。たとえば、音声、音楽などの伝達を妨害したり、耳に苦痛、障害を与えたりする音」と、定義されています。

『耳に苦痛、障害を与えたりする音』は、完全に身体的に有害であるので、『騒音』である、と言えます。

それ以外は『望ましくない音。たとえば、音声・音楽などの伝搬を妨害』する音と、いうことになります。

今回の子どもの声は、『望ましくない音』に当たるのでしょうか?

 

『望ましくない音』というのは、その人、個々によって変わってきます。

例えば、音楽を大きな音で聴いている人にとっては、『騒音』ではありませんが、それを聴きたくもないのに聴かされる人にとっては、『騒音』になります。

今回の場合『子どもの声が騒音』であるかどうかは、人による、というのが、結論になります。

 

 

今回、『騒音』として訴えている方は少数です。大多数の方は、『騒音』として捉えていなくて、むしろ「元気をもらっている」と、おっしゃる方もみえました。

でも、その少数の方にとっては、我慢できない事情、情況などが、きっとあるのでしょう。

ご迷惑をお掛けしていることは、確かなようです

可能な限り、低減する対策を、施していかなければ、とボクは考えています。

 

対策としては、園庭がすっぽり収まるような、シェルター、ドームのようなものができれば、一番なのですが、

そんな何千万円も掛かるようなものは、不可能です。

次善の策としてボクがご提案したのは「吸音・乱反射などに依り、音エネルギーを低減させる」ことです。

具体的には、園舎の壁面に吸音板を貼ったり、常緑樹を園庭の境界沿いに植栽したり、園舎の壁面に置いたりすることです。

 

ボクの本業は、建築設計で、これまでいくつか、防音の目的で、吸音板を貼ったり、植栽をしたことがあります。

それなりに、効果はありました。

何とか『解決』して欲しい、と願っています。

音、全般 | 08:34 | - | - | - | - |

(C) 2016 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.